貴方のはっぴぃばーすでぃ

「サートシ。今日何の日か知ってる?」
「え?」
「だから!今日は何の日かって事よ」
ある町への途中、サトシ達は休憩中であった。
そこで彼女が、突然彼へと声を掛ける。

「今日?さぁ?」
「やっぱりね・・皆知らないわよね」
「・・・ごめんちょっと・・」
サトシはタケシの方へ駆け寄って何やら話し始めた。

「悪いタケシ。俺次の町に用があるんだ」
「用か?今日じゃないとだめなのか」
「そうなんだ。どうしても今日!だから今すぐ
出発出来ないかな・・」
「おぉ。まぁいいぞ。ハルカ、マサト。もう行くぞー」
もう夕暮れだが、今日中に町へ着くのは無理な事ではない。

「えー。今日はここで泊まっちゃいましょー」
ここは大分過ごしやすい森の中。ハルカはここが
気に入ったようだが・・。

「だめだよ。今日は町に行くんだぜ!」
「分かったわよー。どうせジム戦だろうケド・・」

歩いて4時間弱。皆ばてて来たころだ。もう
夜の9時をまわっている。

「もーだめかも・・タケシー町まで後どのくらい??」
「うーん。後一時間強くらいだ」
「ええー!?僕もう歩けない・・」
マサトはその場でへなへなと座り込んだ。

「おいサトシ。ホントに今日じゃなきゃいけない
用事が町に?」
サトシは下を向いてしばらく黙っていたが、顔を上げ

「今日じゃなきゃだめなんだ。悪いけど・・」
「そうか・・」
するとマサトが、

「サトシー。僕達ここで泊まるよ。明日すぐ町に直行
するからさ・・サトシは先に町で待ってて・・」

「・・・分かったよ。俺は先に町行ってる」
マサト達は、結局ここで泊まって、明日町へと急ぐことに
なった。
サトシは突然、ハルカの腕を引っ張って

「悪いけどお前は付いて来てくれ」
「え;」
「お前がいないとここまで来た意味無いんだよなぁ」
「えっ、えっ!ちょっとまってよぉ!」
引っ張られながらも、ハルカはサトシに付いて行った。

「行っちゃったよお姉ちゃん」
「まぁいい。ハルカが必要なんだろー」



「着いたー・・」
「疲れたかも・・」
やっとこさ町に着いたものの、町の明かりはすでにすべてが
消えていた。あれからもう時間。一時間どころではなかったようだ。

「ごめんサトシ。もう降ろしてー・・」
「おー・・」
サトシは負ぶっていたハルカを、地面に下ろした。

しばらく町の中を散策(?)し、サトシはハルカに

「ごめん」
「え?」
「俺の勝手でハルカにきつい思いさせて」
「別に気になってないのに」
「そっか」

ハルカはサトシに問いかけた。
「ところで、用事ってなぁに?」
「・・ちょっと待てよ」
サトシは何やら一軒の店を覗いた。
「うっわよかった。まだ開いてるぜ」
もう11時過ぎと言うのに、この店だけ光が灯っていた。

サトシはハルカに外で待っててくれと言い、
その店に入った。そこに
「おやおや。君かね?」
店員が顔を覗かせる。
「はい。ごめんなさい。こんな夜遅く」
「君のために待ってたんだよ」
店員はサトシに、ピンクのリボンで結んだ白い
袋を手渡した。

「ご注文のお品だよ」
「ありがとうございます」
ハルカは外で、星空を見ていた。
そこにサトシが外へ出てきて、

「ハルカよかったー・・。間に合った。まだ今日は一時間
残ってるぜ!」
ハルカに先程の白い袋を手渡しながら言った。

「お誕生日おめでとう。ギリギリだけど」
「え・・あ、ありがとう。知ってたんだ。私の誕生日」
「そ、そりゃあ・・な」
二人とも顔を見合わせて笑った。

「店の中で中身開けて」

サトシにそんなことを言われて、ハルカが連れてこられたのは
更衣室だった。
中に入っていたのは、ずっと憧れていたウェディングドレス
だったのだ。

「え・・ちょっとびっくりしちゃったかも」
「ハルカずっと前からドレス来たいかもーって叫んでただろ」
「叫んでたって失礼かも」
「いーから早く着ろー!」

・・・・・・・・・

「ねぇどう??可愛いでしょー」
「似合ってるじゃんか。」
「サトシって結構女の子が喜ぶもの知ってるわよねー」
「べ、別に・・」
サトシはそっぽを向きながら顔を真っ赤にした。
そして

「あ、あと言うの忘れてた」
「え?なぁに?」
「お前の事、好きだ」

沈黙10秒・・

『うん、私も』

笑顔で返した瞬間が、

次の日の始まり――――

 

ハルカの誕生日、サトシはよくプレゼントにあんないいものを選びましたねw
喜ぶハルカが可愛いです。
きっと二人にとっても忘れられない一日になったでしょう。
(ただのドレスでなくウェディングドレスというのがまた…w)

Commentator by 冬草


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