宝島

Chapitre1 始まりの合図

これは、ホウエン地方も、ジョウト地方もない、もう一つの世界の物語―。

 
ここは、とある進学塾。毎日、たくさんの生徒達が夢を叶えるために
勉強に励んでいますが・・・、夢って何?
皆さんも夢について、物語と一緒に考えてみましょう。

 

「先日のテストの結果をお知らせします。心して聞いてください。
残念ながら、今回の合格者は居ませんでした。君たちのがんばりは、よく知っています。努力が報われ、君たちの成績が少しでも
上がることを願っています。いい学校に入って、いい会社に就職して・・・。君たちの夢はきっと叶う。勇気を持って前に進もう!」
『おぅ―!』
「君たち、夢を持ち続けて次のテストはしっかりがんばってください。」
『は〜い。』

「まぁ、あいつらはあの程度で限界だな。少しずつ、夢を幻へと変えてやらないとな。」
なんと、ヤナギ先生は2重人格だったのです。
生徒の前ではやさしい先生、裏では邪悪な人だったのです。
「あの、先生…おれ、大丈夫でしょうか・・」
「おお、木之本サトシ君、君は今回非常に惜しかった。ちょっと勘違い
しただけだな。次はきっと大丈夫だよ。」
「有り難うございます。安心しました。さようなら。」
「さようなら・・・。アイツが一番危ない。がっかりさせないように励まさないと、わしの勤務成績に関わるからな。」
「あの、ママに叱られないですかねぇ・・・・」
「わしからも君のがんばりについてよく言っておいてあげるから、大丈夫だよ。」
「有り難うございます。さようなら。」
「塾の売り上げを上げるには、親の面倒も見なけりゃならん。
大変じゃな。全く。」
「あの、本当に大丈夫でしょうか・・・」
「君もしつこいね!」

〜本屋〜

「この棚の参考書、ちっとも売れませんね。」
この人はフリーターのタケシさん。今日もがんばっています。
「最近の若い者は雑誌か漫画しか読まないからねぇ・・・」
この子は新井田サクラ。このお店は、サクラ店長が経営している本屋。
皆からは、「新井田店長」と親しまれています。
「俺も参考書を見ると、頭が痛くなるからなぁ・・・あ、
また立ち読みしている・・・!!」
「仕方ない。いつもの作戦で行くぞ!」
ぱたぱたぱた。
「最近のガキはハタキをかけても反応しないなんて、あつかましいなぁ。」
あらら、タケシさんも立ち読みを始めてしまいました。
「お前が立ち読みしてどうする!」
「この本、面白いですよ。店長も読んでみたらどうです?」
「バカ者!」

「やぁ、君たちこんにちは。」
この人は渡辺マサト。近くの小学校の校長でもある人。
「あ、渡辺校長、例の本届いていますよ。」
「おお、それは良かった。」

こんな話をしている平和な本屋の影に、一人の怪しい
紳士のようなおじいさんがいつの間にか居たのです。

物語は、このおじいさんから始まろうとしていた・・・

 

Chapitre2 宝の地図

「それはそうと、この頃の子供は昔の冒険小説なんて、あまり
読みませんね。渡辺校長。」
『うんうん・・・。』
このうなずいているお爺さん、いかにも怪しい。
「木之本君も漫画を買いに来たのかい?」
「はい。」
「たまには字がたくさん書かれている本も読めよ。」
「漫画は気晴らし。」
「勉強が漫画になったら面白いか?木之本君。」
「何でも勉強に結び付けないでくださいよ・・・・・」
「ハハハ、すまん。」
『くっくっくっく』
だから、このお爺さん怪しいって。
「俺も学生の時は忙しかった。習字、バイオリン、そろばん、進学塾、ピアノ、英語、
スイミングスクール、バトミントン、テニス、陸上・・・・」
「それで今は?」
「フリーター!!」
ぶいっ!
「そんなんでいいのかい?気合を入れるためにも、今晩一緒に
柔道の稽古でもしないか?」
「柔道?新井田店長が?」
「ええ。私はこれでもヤワラちゃんと同じ黒帯ですよ。」
「それは知らなかった。でも、しんどいことは結構です。」

「少年よ、宝探しでもしてみんか?」
あれ、この人はさっきの立ち読みしていた怪しいおじいさん。
サトシに話しかけて、もっと怪しくなってきた。
「宝探し?おじいさん、キャッチセールスはお断りだよ。」
「この本の中に夢があるんじゃ。」
「夢?」
そう言って、おじいさんが手に持っているのは一つの古びた本。
本の中には、ボロボロになった一枚の地図がある。
「君の夢は、全部君のものか?」
「え?」
「大人のくれた夢だろう。学力をつけて、志望校に合格して、ちゃんとしか会社に入ってっと。」
「そんなことないよ。いい成績をとって、進学校に合格したら・・・医者とか、弁護士とか、
公務員になれば幸せになれるんだよ。」
おじいさんは、その本の中にある一枚の地図をサトシに渡した。

そのまま、おじいさんは何処かに行ってしまった・・・・・



Chapitre3 冒険へと

ここは町の商店街。今日もおばさんと市場の人が盛り上がっています。

「ねぇねぇ、ワイドショー見た?」
「みたみた。雅子様も大変ねぇ。」
「それよりも、今日は大バーゲンの日よ!」
「そうそう、今日は安いものを命がけで買いまくるわよ〜!」
「あ〜あ、ダイエットにいい方法ないかしら・・」
「ココアって、体にいいんですって。」

「いらっしゃい、いらっしゃい!」
「いらっしゃい、いらっしゃい!」
「隣の次男坊が結婚するらしいよ!」
「へぇ、よかったなぁ。なんかお祝いしないとなぁ。」
「久しぶりに景気のいい話だなぁ。
「気分がいいや、持って毛泥棒!安いよ安いよ!!」


「あ〜宿題わかんないよ〜」
「ちょっと、3番の問題できた?」
「ちょっと、ややこしかったなぁ・・・・・」
「一応書いたけど。」
「よかった〜。ほかにも分からなかったひとが居て・・・」
「おい、サトシ。」
「やぁ。」
あれあれ、さっきのおじいさん、戻ってきている。
さらに、サトシについてきている。
当然、皆は首をかしげました。
あ、この人たちは塾の生徒たち。今日も宿題がんばるぞ!
「お〜い、みんな〜。ハンバーガー食べていこうよ。」
「やった〜!」
サトシははりきっています。ハンバーガー店には何があるのでしょうか。

〜ハンバーガー店〜

「いらっしゃいませ。」
この人は、ハンバーガーショップ暦3年の春風ハルカさん。
サトシのひっそり片思いの相手でもあります。
「みんな、お子様セットのコーラでいい?」
『はーい!』
あれれ、お爺さんも手を上げています。
「お子様セットのコーラが、え〜と・・・9人!?9人ですね?!」
みんなおじいさんにあきれてしまいました。
「ところで、おじいさん誰?」
「サンタクロース」
「え?今頃?」
「じゃあ、後でな。」
「後でって・・・・?」
「地図を忘れるなよー。」
おじいさんは、手を振ってハンバーガーショップを出て行きました。

「これが地図?どこの島だろう。全部ローマ字か英語だ・・・。読めないなぁ。どうせ作り物だろう。
さぁ、早く帰って宿題やろう。・・・・・あれ?ここは何処?道を間違えたかな?」

「おお、ジム。ここに居たのか。」
「あ、タケシさん。」
「タケシ?だれだ?」
「え?」
「ああ、トレローニさん。」
「あれ・・・?本屋のサクラさん・・・」
「リプシー先生、薬の用意はできましたか?」
「それより、頼りない人の面倒をちゃんと見てください。」
「頼りない人?誰です?」
「貴方ですよ。トレローニさん。」
「私?」
「貴方はおしゃべりだし、仕事もすぐさぼる。ジムの宝の地図をとられたりしたら、大変ですよ。」
「ジム?俺が?」
「リプシー先生。心配には及びませんよ。私はもう、一切喋らないことにしました。一切ですよ!
喋ってくれって誰かにお願いされても喋りませんからね!!」

果たして、一体何事なのか。そして、宝の地図とは?



Chapitre4 宝島へ

「やぁ、皆さん、御揃いか。」
「校長先生。」
「スモレット船長、船は?」
あれ、トレローニさん一切しゃべらないはずでは??
「食料は?」
リプシーさん、何故気づいていないのか!?
「いつでも出港できます。ところで、トレローニさん、船員とコックはどうなりました?」
「はい、シルバーという名の正直者で、優秀なコックを見つけました。感じのいいひとですよ。」
「シルバー?誰です?訳の分からない人ではないですよね・・・?」
「ジョン・シルバー。酒場の主人ですが、昔は海軍にいたとか。
彼が、ほかの船員も探してくれました。船員は7人です。」
「分かりました。夜明けとともに出港しましょう。」
「それから、エリザベスという女の子も乗ります。」
「女の子?」
「シルバーの娘だとか。さぁ、ジム。宝島に出発だ。」
「いやぁ、おれは・・・・」
「それから。」
「それから?」
「りんごを一たる、船長や船員の皆さんにプレゼントいたします。」
「船員を甘やかしてはいけないぞ!」
「いやぁ、甘くておいしいんですって!」

〜港町〜

今日も、市場の人とおばさん達が盛り上がっています。

「ねぇねぇ、極上のコショウが入ったらしいわよ。」
「今日は久しぶりに肉料理にしようかしら。」
「見てみて、このエプロン。昨日縫い上げたのよ。」
「あら、素敵。私にも一つ作って頂戴よ。」
「私もここ、調子よくって、料理が楽しみよ。」
「豚肉って、疲れが取れるのよ。」

さて、このひと達は塾の生徒・・・ではなく、海賊さんたちです。
「今度は何処へ行くんだ?」
「次は宝島だってさ。」
「そんな島、何処にあるんだい?コッド。」
「前の船長は口うるさい奴で参ったよ。」
「でも、ボーナスはいっぱい出ただろう。なぁスパーク。」
「仕事はきついが、うまくいきゃぁ大もうけだ。」
「これだから船乗りは辞められないな。」

今日も市場のひとはがんばっています!
「とれたてのトマトはいかが?」
「やきたてのパンはどうかねぇ。」
「よう、調子はどうだい。大将。安くしておくぜ。」
「新鮮な魚だよ〜。塩つけしてあるからもつよ〜。」
「奥さん綺麗だからまけとくよ。」
「港町のにぎわいはたまらないねぇ。」



Chapitre5 出港

「さぁ、野郎ども。準備はいいか?」
「へぇい!」
「へーい」
「こら!間の抜けた返事をするな!」
「さぁ、宝島に出p」
「こらスパーク!しぃ!」
スパーク、周りのひとにぺこり。礼儀正しい・・・
「いいか、やつらにばれないようにしろ。」
「へぇい!」
「へぇい♪」
「ばか!さっそく船に乗り込むぞ!ヒスパニオラ号だ!」
「ヨーホーホー!」

〜ヒスパニオラ号〜

「よ〜し、出港する。いかりを上げろ。」
スモレット船長、気合入っています・・・
「へぇ〜い。」
あれ?この人誰?声しか出ていない・・・
「夢にしちゃ、やけにリアルだな。」
「さぁ、ジムいよいよだ。」
ぱたぱたぱた。
「遅れて御免なさい。」
あれ、このひとはハンバーガーショップのハルカさん・・・
「うん、がんばるよ!」
「風向きは?」
「南の風、追い風で〜す。」
だからこの声、誰。
「よし、帆を上げろ。」
「帆を上げま〜す。」
だから誰。
「船が進み出すぞ。」
「取り舵。」
「取り舵、よ〜そろ〜!」
だから誰なの、この人。
「本当に出港するんだ。」



Chapitre6 裏切り

〜甲板〜

「あの・・・・」
「あ、ジム。」
「何してるの?」
「夕飯の準備。」
「あのぉ・・・」
「さぁ、終わったわ。」
「あのぉ・・・・えと・・・・」
「なぁに?」
「・・・・」
「リンゴでも食べない?」
「ああ、あれはタケシさん・・・あ、いや、トレローニさんの・・・・。ひとつもらっちゃおうか。」

「エリザベスは、シルバーさんの子供?」
「ええ、でも、本当のお父さんは海で死んで二人目。」
「そうなんだ。」
「やさしいひとよ。あたし、これでも船の動かし方も習ったのよ。」
「船の動かし方を?すごいや。」
「綺麗な星ね。」
「うん。」
星はそっちではありません。そっちはエリザベスですよ。ジム。
「ジム、見てごらんなさいよ。」
「(あわわわわ)あぁ、星も綺麗だね・・」

「頭を使え。」
「頭?」
この声は、シルバーとその子分達。
「エリザベス、タルに隠れて。」

「いいか、奴らを殺すのは宝を頂き・・・」
「そのとたん、バッサリ!」
「ちがーう!ミズキ。そんなことをすれば俺たちは二度とみなと絵は帰れない。」
「あっし達で船を動かせばいいでしょう。」
「ホノカ、考えてみろ。動かすだけなら、いままで育ててきたエリザベスにだって出来る。肝心なことは
何処に船を動かすかだ。航海術だ。」
「後悔?」
「ばかもん!ウォータ、お前はあほか!」
「すみません。こいつはすぐに調子にのるもんで・・・」
「ユカ、こいつのことはいい。・・・航海術とは、太陽や星の動きで、船の位置を知ること。
われわれにはそれは出来ないのだよ。」
「それでどうするんです?」
「まぁまぁアキコ、そうあわてるな。あいつらと一緒に船を宝島につける。宝を掘り出し、船に運ぶ。
帰りの航海の途中まで船長に任せ、陸が見えたらいっきに殺せ。」
「なるほど、シルバー船長は大ワルですな。」
「分かるのか?ショウ!知恵だよ知恵。こんなリンゴの樽をプレゼントしてくれる、お人よしな連中など
いちころだ。さてさて、甘いリンゴでもいただくかな。」

シルバー船長がリンゴを取ろうとしたその瞬間・・・
「お〜い。島が見えるぞ。月明かりに照らされて、宝島が見えてきたぞ〜。」
あの謎の声が、ジムとエリザベスを救ったのです。
「よし、上陸の準備だ!」
「へぇい!」

「大変だ。」
「知らなかった。」
「え?」
「お父さんがあんな悪だくみをしていたなんて。」
「僕達殺されるの?」
「大丈夫、私はジムのみかたよ。」
「船長達に知らせなきゃ。」



Chapitre7 作戦開始

「それにしても、とんでもない正直者でしたなぁ。あのシルバーという男は。」
「私はいい人だと思ったんだけどなぁ。」
「しかし、ジムと貴方のリンゴのたるのおかげで、奴らの陰謀が発覚しました。これで先手がうてる。ジム君、地図は?」
「ここです。」
「シルバーに渡してしまおう。」
「え?何故です?」
「我々が、彼を信じていると奴らに思い込ませるのです。」
「で、どうやって?」
「私に考えがあります。」
ひそひそひそひそひそひそひそひそひそひそ。

「準備が出来ましたよ!」
「シルバーさん。」
「はい、何です?トレローニさん。」
「貴方に地図を預けますから、先頭を宜しくお願いします。」
「分かりました!あっしに任せてください!」
スモレット船長は、地図をシルバーに渡しました。
しかし、もう作戦は始まっていたのです。
「任せましたよ。」
「では、出発しましょう。」
「船の留守番は?」
「私にやらせてください。」
「あっしの娘、エリザベスにやらせます。」
「大丈夫ですか?女の子で?」
「大丈夫ですよ。これでも船の扱いを私がきっちり仕込んでいますから。」
「彼女はこの航海でも、良く働きました。絶対トレローニさんより役に立ちますよ〜。」
「はいはい。私は一切喋りませんから!ずっと黙っていますよ!!ずっとですよ!」
ハハハハハハ、とシルバーは笑い声を上げて、宝島へと出発しました。
エリザベスとジムはアイキャッチを交わし、作戦は実行へ・・・・

「いいですか?計画通りにやりますよ?」



Chapitre8 対決

ここは宝島のジャングル。シルバーを先頭に、海賊達が並んで進んでいます。けれど、一番後ろのひとは・・・?
リプシー先生と、スモレット船長です。
二人は、一人ずつ海賊を殴って懲らしめる作戦をする係なのでした。

とうとう残りはシルバー船長とスパーク、ミズキの3人だけとなってしまいました。
「こいつら前しか見とらんな。」
「視野が狭いのですな。」

さてさてこちらはジム&トレローニ組。
「近道があるのか?」
「先回りして、宝を見つけて隠すんです。」
「近道は好きだけど、こりゃぁ楽じゃないな・・・」
とその時、茂みからお爺さんが・・・
「わっ!」
「わおっ!」
「だれだ!!」
「へっへっへっへっへ〜。」
「あ、ずいぶん汚いけれとあのときのお爺さん。」
「わしはベン・ガン。」
「ベン・ガン?」
「おじいさんがどうして?」
「お前達、宝を探しに来たんじゃろう。」
「いやぁ、どうしてそれを?」
「オレは、宝が埋められたとき、島流しにあってな。ずっとお日様と、空と、海と、森とお話していたんじゃ。」
「お日様と空と????」
「ひとと喋るのは久しぶりじゃ。」
「あんたは海賊か?」
「昔は、な。君たちが聞いたら振るえて固まってしまっちゃうような悪さもしたもんじゃ。」
「宝のこと知ってるの?」
「こっちへ来いよ。連れてってやるぞい。」

「へっ、とっくに気付いていたのか。やるな〜、船長。」
「降伏しろ。さもないと国に帰れなくするぞ。」
リプシー先生とスモレット船長もピストルを構えた。
「こっちは3人、そっちは2人。打ち合いになればこっちが有利だぞ?船長。」
「そうだそうだ〜。降伏しろ〜!」
「そっちが降伏しろ!」
「ベテランの航海術を持っている船長は撃たねぇ・・・そっちの医者を撃つぞ!」
「なんだと〜!」
「脅したって無駄です!リプシー先生。」
「私はちょっと恐いぞ・・・」
「先生!」
「降伏しないと、本当にリプシー先生の体に風穴があくぜ。」
「私は貴様を打つぞ、シルバー!」
「当たるかな?試してみるかい?船長さん?」
シルバーと子分は、銃を構えた。
「船長!」
「大丈夫ですよ。リプシーさん。」
「やつら・・・私だけを狙っていますよ・・・」
何故ならば、リプシーが動くとそれにあわせてシルバー達が狙いを定めてくるからだ。
「私はシルバーを撃ちます。先生も構えて隣の男を撃ってください!」
「でも、もう一人の女は!」
「撃ったらすぐに身を隠すのです。」
「上手くいくのですか?船長〜」
「怖がっていてはやられます。」
「リプシー先生は船長さんの勝手な作戦で、死んでもいいのかい?3人が狙えば必ず一発は当たるぞ。降伏したらどうだ?」
「だめだ・・・震えて狙いがつけられない!」
「先生、しっかり!トレローニさんとジム君は何をしているのだ!?」
「早く降伏しやがれ!」
「一か八か、3つ数えて撃ちますよ。」
「一か八かって・・・ちょっと待ってくださいよ〜。」
「一つ!」
「降伏したほうがいいぞ、リプシーさん。」
「二つ!」
「リプシーさん、あんたが死ぬんだよ。」

バキューン・・・・・・

「ぐああぁぁ!!」
シルバーの手首に、真っ赤な血が溢れ出した。



Chapitre9 夢

バキューン!!

「銃を捨てなさい!」
トレローニさんが、突然子分とシルバーの後から出てきた。
「ああ、助かった・・・」

バキューン・・・

パタッ。

子分が撃った銃が、リプシー先生の右肩に命中し、リプシー先生はその場に方を抑え倒れてしまいました・・・
「リプシーさん!」
「野郎ども・・・・いっ・・・今のうちに逃げるぞ!」

「船だ。奴はヒスパニオラ号を奪うつもりだ。」
「ヒスパニオラ号にはエリザベスがいる!!」
「あの子はシルバーの娘だろう。」
「エリザベスは味方だよ。早く船に行かなきゃ。」
「俺の作ったボートで行こう。」
「ボート?」
「ジャングルの中を歩くより、ずっと早いぞ。」
「そうしよう!」

「リプシーさんは?」
「動かすと危険だ。私が看病します。トレローニさんは陸からシルバー達を追い詰めてください。」
「分かりました。」
「トレローニさん。」
「はい?」
「見事な銃の腕前でしたね。」
「誰にでも、一つくらい、得意なものはあるんですよ。」
「リプシーさんは私に任せてください。エリザベスと協力して何とか、船をこちらの岬に回してください・・・・!!」
「分かりました。」

〜船の甲板〜

エリザベスはシルバーにはがいじめされて、首にナイフを突きつけれれていた。

カチャッ。
ジムは銃を構えたが・・・
「銃を捨てろ!さもないとこの小娘の喉から真っ赤な血が吹くぜ。」
「あんたの娘じゃないか!」
「それがどうした。こいつはオレを裏切ったんだ!」
「痛い!やめて!お父さん!」
「静かにしろ!」
この状況の中、このおじいさんが口にした言葉で未来が変わる・・・
「負けるな、ジム!夢をあきらめるな!」
「夢・・・?何だ?」
「勇気だよ。ジムには勇気が湧いてきているじゃろう。」
「え?」
「照れるな、一歩ずつ前に進め!」
「近づくな!」
ジムは銃を構えなおし、一歩ずつ前に進んだ。
「助けて!」
「前に進め!」
もう一歩、前に進む。
「近づくな!」
と、その時!
「ナイフを捨てろ!」
トレローニさんが突然登場したのです。

おどろいたシルバーは振り向き、エリザベスがシルバーを突き飛ばす。シルバーはよろけた。エリザベスは、ジムの方に逃げる。
ジムは、銃を捨てエリザベスを両手を広げて待ち受ける。シルバーは、追いかけた。エリザベスは、ジムに抱きついた。
シルバーはナイフを振り上げたが、ジムがエリザベスをかばう。トレローニは銃を構え、ナイフを振り下ろそうとする。
ジムはエリザベスをかばいながらよけたが、シルバーに腕をつかまれてしまった。シルバーは少しずつナイフをジムの肩に近づけ、
とうとう肩に当たってしまった。ジムは顔をしかめた。そして・・・


バキューン・・・


鈍い音がした。全員動きを止め、シルバーはナイフを落とした。銃弾はシルバーの右足に当たり、シルバーは足を押さえてひざまついた。

そして、ジムはゆっくり倒れた・・・・


「ジム、しっかりして!」



Chapitre10 本当の宝物

〜商店街〜

「昨日、うちのおばあちゃんが元気になる夢を見たわ。」
「私は久しぶりにお友達に会った夢を見たわ。」
「私も田舎のおじいちゃんの夢を見た。」
「昨日、息子から初めて手紙をもらったの。」
「朝、ずっと口を聞いていなかった御姑さんと、仲直りできちゃった。」
「やっぱり細木数子の力は偉大ね。」

「いらっしゃい、いらっしゃい!」
「3軒無効のおやっさんの家に初孫が産まれたって。」
「へぇ、またお祝いしなくちゃな。」
「めでたい話が続くなぁ。」
「おはよう。」

肩を抑えて、サトシがやってきました。
「やっぱり夢だったのかなぁ・・・・?」
「昨日ついに宝を見つけ出したぞ。」
「え?宝?」
「ええ??どうやって?」
「教えてやろうか?」
「いいよ。自分で解いてやるから。」
「あのゲーム、結構難しいよな。」
「俺なんか、裏切りにあって銃で撃たれちまったよ。」
「睡眠不足だな・・・・」
「あら、元気?」
「あぁ・・・・」

〜商店街〜

渡辺校長と、タケシさんが何か話しています。
「昨日は帆船に乗った夢を見たよ。」
「俺はお金持ちになった夢を見ました。」
「ずうずうしい夢だね・・・」
「それはとても。」
「やぁ、木之元君か。おはよう。」
「立ち読みするなよ。」
ぺこっ。

〜塾前〜
「あ、シルバー船長その足・・・」
「おお、サトシ君、おはよう。これかい?階段から落ちてねぇ。くじいてしまったのだよ。
痛いものだね。授業はしっかりやるから、そのつもりでな。」
「銃で撃たれたんじゃ!?」
「銃で?物騒なこと言わないでくれよ!」

〜本屋〜
「リプシーさん?」
「リプシー?宝島の?」
「腕、どうしたんですか?」
「昨日、柔道の稽古をしていたら手首をひねってしまいました。」
「撃たれたんじゃ、無いんだ。」
「投げられて、受身を失敗してしまって・・・・」
「そうですか。」
「そういえば、昨日の夜は、宝島に行った夢を見たなぁ。リプシーさんになった夢だよ。」
「え?」
「また、遊びにおいでよ。」
「やっぱり、夢だったのかなぁ・・・」


「エリザベス・・・あ、いやぁ・・・・」
ハルカが近づいてきた。じっと見つめている。
「助けてくれて」
ハルカが手を差し出した。
「有り難う。」
「えっ!その・・・・・どういたしまして!」
2人は、握手をしました。


こうして、サトシの不思議な一日は終わりました。果して、宝島は夢だったのでしょうか。夢といえば・・・
皆さんの夢は何ですか?本当に自分の夢?誰かから与えられた夢ではありませんか?
皆さんも宝の地図と鍵を持って、夢というなの宝物を探しに行ってみませんか?


自分の夢を 忘れてさまよう心は
町の光の中で 遊びつかれる・・・
貴方の笑顔を 貴方の思いに移して
さびれたことさえも 気が付かないまま・・
ほんとの宝物は きっといつか出会える・・・
あきらめちゃダメだといって どこか遠くに捨てた・・・
羽ばたきさえも ああ とっくに忘れて胸は 今
夢のかけらを 拾い集める・・・・





エンディング

本当に宝島は夢だったのか。
新たに始まる宝島への旅―。
そして、宝物を狙う謎の組織―。


あとがき

今回は、とあるお話にそってストーリーを作ってみました。
ですが、宝島はまだまだ続きます。
ほんとの宝物を見つけるまで・・・・・。


スタッフ

投稿者 桜

海賊設定
UFOピカチュウ さん
− さん
SWEET HEART さん

キャスト

ジム サトシ
エリザベス ハルカ

シルバー ヤナギ
スモレット マサト
リプシー サクラ
トレローニ タケシ
ベン・ガン おじいさん

海賊 
ウォータ
スパーク
コッド
ミズキ
ホノカ
ユカ
アキコ
ショウ

町のおばさん
市場のひと

謎の声・ナレーター 桜


 

サトシの冒険の物語です。
ジムとなり、仲間とともに船での旅に出るというお話です。
夢だったのか、それとも…
ハルカ(エリザベス)の最後の言葉など、不思議な体験が独特の語り口調と相成って、
素敵な話になってますね。

Commentator by 冬草


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