好きと言わせて

ここは、とある町の中、町の人間は平和に暮らしているが、一人だけ気持ちが平和ではない少女がいた。
?「はぁ〜あ」
大きくため息をつく少女、すると突然、隣で声がした。
?「どうしたんだ?ハルカ」
ハ「サ、サトシ」
ハルカと呼ばれた少女は、驚いてサトシと言う名の少年を見上げた。
サ「何か、悩みでもあるのか?」
ハ「何でも無いわよ、それより、何でサトシがここにいるのよ」
サ「何でって、お前が呼んだんだろ」
ハ「あ、そうだった」
サ「で、何だ?話って」
ハ「あ、うん、あのね・・・」
するとその時、外で大きな爆発音が聞こえた。
サ「な、何だ?」
サトシとハルカはすかさず外へと飛び出した。
そこで見たものは、黄色い小さな生物と、小さな少年を捕まえている、大きなどこかのおばさんのような形のロボットだった。
サ「な、何だ?」
?「わーっはっはっはい」
?「何だかんだと聞かれたら」
そう聞こえた時、おばさん型のロボットの髪の毛が左右に分かれた。
?「答えてあげるが世の情け」
そして、そこから胸にRの文字を刻んである服を着た二人組が現れた。
?「世界の破壊を防ぐ為」
?「世界の平和を守るため」
?「愛と真実の悪を貫く」
?「ラブリーチャーミーな敵役」
?「ムサシ」
?「コジロウ」
ム「銀河を駆けるロケット団の二人には」
コ「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ」
そしてその後、どこからか猫ポケモンのニャースが現れた。そして、
ニ「ニャ−ンテニャ」
喋った。ポケモンなのに言葉を話したのである。
しかし二人には、そのことはさほど気にしていなかった。
サ、ハ「ロケット団!」
ム「あらあら、相変わらず息ピッタリだ事」
コ「しかしまあ、考えたな、ニャース、ポケモンセンターで休んでいる所を狙うなんて」
ニ「まあ、ニャーの頭脳にかかればニャンてこと無いニャ」
?「ピーカー」
手に捕まれている小さな生物がサトシ達を見て叫んだ。
サ「ピカチュウ!」
?「助けてお姉ちゃ〜ん」
もう反対側に捕まれている少年がハルカに向かって叫んだ。
ハ「マサト!」
サ「ロケット団、ピカチュウとマサトを離せ!」
ム「やなこった〜」
コ「こいつは大事な人質だからな」
ニ「オミャーらが抵抗できないようにする為ニャ」
ム「さあ、他のポケモンたちも頂きよ」
コ「禁断の森の時より更にパワーアップしたお袋さん2号の力、見せてやるぜ」
?「ハスブレロ、水鉄砲!」
どこからかそんな声が聞こえ、マサトと呼ばれた少年を掴んでいた腕を攻撃された。
その衝撃に耐え切れず、少年を離してしまった。
サトシはすかさずモンスターボールに手を伸ばした。
そして、マサトへ向かって思いっきり投げ飛ばした。
サ「ジュプトル、マサトを受け止めろ」
モンスターボールが開き、そこから出た光が、何かの形を作り上げた時、既にマサトは受け止められていた。
サ「ジュプトル、種マシンガン」
ジ「ジュルルル」
ジュプトルは、マサトを受け止めたまま、口から光る弾を出して、ピカチュウを掴んでいる手を攻撃した。やはり、衝撃に耐え切れず、ピカチュウまでも手放された。
ピ「ピカ」
すかさずピカチュウはサトシの元へと駆け寄った。
ム「ぐぬぬぬ、こうなったら」
いつの間にかコックピットに戻っていたロケット団、そのムサシが怒りに震えていた。
ム「ポケモンセンターの中にいるポケモン頂いてから逃げるわよ」
そう叫び、一人で操縦し始めた。
お袋さん2号と名づけられていたロボットは、サトシとハルカの方へと突っ込んできた。
サ(まずい)
後ろにはハルカがいる。そして、ポケモンセンターも、
不意にサトシは、ハルカを思いっきり突き飛ばした。
ハルカはそのまま、地面に倒れた。
しかし、ロボットに踏まれる事は無い位の距離まで飛ばされた。
サトシはそれを見てフッと笑い。その直後、ロボットに弾き飛ばされた。
ハ「サトシー!!」
ハルカが悲痛の叫びを上げた。そしてサトシは、飛ばされながら、
サ「ピカチュウ、10万ボルト」
そしてその直後、ロボットに電撃が流れる音を聞き、気を失った。

ハ「タケシ!サトシが」
さきほどどこからか指示を出した青年?にハルカは叫んだ。
タケシと呼ばれた男はすぐさま駆け寄り、サトシを見た。
タ「かなり危険だ、いくつか骨が折れてるかもしれない」
マ「早く病院に行かないと」
そして、サトシをタケシがおぶり、走り出した。


サトシは、何とか一命は取り留めたものの、いつ意識が戻るか分からない状態だった。
そして、不幸中の幸い、骨は折れていなかった。
ハルカは、罪悪感に襲われていた。
自分があの時、あの場にいなかったら、サトシはこんな目に合わなかった。
そして、自分がサトシと出会わなければ、こんな思いはしなかったかも知れない。
でも、そんな事考えたくなかった。自分は、サトシに出会えて本当に幸せだった。
でも、自分のせいでサトシが意識不明の重症に、
いろんな思いが交差する中、無意識にサトシの腕を握り締めていた。
ハ(出会わなかったら、でも、出会った。もう運命は変えられないよね。過去の出来事も、そして、私のこの想いも、だから)
ハルカの目から、涙が零れた。
ハ「好きって言わせてよ、サトシィ」
ポタッと一滴、サトシの頬に落ちた。その時ハルカは、自分の頬に何かが触れるのを感じた。
驚いてサトシを見ると、サトシはしっかりと目を開けていた。
そしてサトシも、目から涙をこぼして呟いた。
サ「俺も、好きだよ、ハルカの事」
ハ「サトシィ〜」
ハルカは勢いよくサトシに飛び付いた。
サトシは優しく、ハルカを抱きしめてやった。
ハ「ヒック、エグ、サトシィ」
サ「良かった、この想いをハルカに伝えられて」
ハ「私も、サトシの意識が戻ってくれて嬉しいよ、ヒック」
サ「これからもよろしくな、ハルカ」
ハ「うん、うん」
その光景を、タケシとマサトは静かに眺めていた。
タ(よかったな、ハルカ)
マ(サトシ、お姉ちゃんを泣かしたら承知しないからね)
心の中でそう呟き、静かにドアを閉めた。
残された二人は、静かに口付けをかわしていた。

 

マッハで終わらせてしまいました。
この小説で、ただ好きと言わせて、この言葉が使いたかっただけです。
何だか読み返して思う事は、なんともありがちな感じがしてたまらないです。
まあ、こんな小説でも、最後まで見てくれた人には感謝いたします。

Commentator by SWEET HERAT

 
「好きって言わせて」この言葉がすごく印象に残ります。
話はよくあるものかもしれませんが、気持ちがすごく切実に伝わってきます。
好きな人には、この言葉を本当に聞いて欲しいですね。

Commentator by 冬草


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