それは、ちょっとした日常の一コマ(マンネリ編)

「むっは〜〜むっちむっちのお姉さん!!
 自分はタ・ケ・シと言います!!いや〜
 こんなところですれ違うとは、きっと運命の神様が
 われわれを引き合わせてくれたんですよ!!」
 
あ〜あ………また、始まったよとサトシ、ハルカ、マサトは
ため息をついた。たまたま、街道を歩いていて、すれ違っただけ
で運命の人とされてしまっては、された方が困る。
案の定、旅の途中のトレーナーと思しき大人の女性は
「はあ〜(相槌)」とか「はあ〜?(意味不明)」
などと困った様子で、タケシの相手をしている。
「まったく、タケシの惚れっぽさにも困ったものだよな〜」
 彼とは長い付き合いになるサトシがそう言うと、
「あら?サトシだって、同じようなものじゃない!ただ、サトシ
の場合、きれいなお姉さんじゃなくて、ポケモンなだけで………」
 少しだけ皮肉をこめてハルカがそういう。
「ま、人間はモンスターボールじゃGETできないけど………」
「でも、それをやろうとしている人がいるよ!」
 ホラ、お姉ちゃん!とマサトが、指差す先には、
モンスターボールを女性に投げつけるタケシの姿がいた。
どうやら、新しいナンパの方法を考え付いたらしい!
「貴方のハートをGETさせててくださいいいいい」
 モンスター・ボールが女性へと投げられる!!

カキーーーーーン!!

しかし、突如そのボールは明後日の方向に飛ばされてしまった。
「な、なにいいい!お姉さんをGETできなかった!!??」
 当たり前だ………そんな、冷ややかに突っ込む3人と、
呆然としているタケシの前に男が立ちはだかる!!

「人様のもんに手出したら、泥棒だぞ!!」
と、現れたのは、金属バットを持ったスキンヘッドの男!
どうやら、この女性………このスキンヘッドの彼女らしい………
人のポケモンはGETできない同様、人の心もGETできないのである!
「おうおう!!ギザギザ頭の兄ちゃん!よくも俺様の女を
口説いてくれたな〜」
 彼女と思しき女性が、ちょっとやめなさいよ!と
止めてはいるものの、彼氏のその嫉妬がうれしいのか、強く
は止めない。
「じ、自分はタケシと言います!!」
「んなこと、聞いてはいないんだよ!ちゃんと落とし前つけて
くれるんやろうな!」
「じ、自分はタケシと言います!!」
「じゃあ、ちょっくらついて来てもらおうか!」
 ニヤリ!!とスキンヘッドの目と頭が光る!
「じ、自分には連れがいますので!!」
「つれ?んなものどこにいるんだ?」
 タケシが、ギギギと錆びたロボットのように、首を180度
回転させたその先には…………

誰もいなかった…………

「サトシ〜ハルカ〜マサト〜!!!あああああ…………」

<挿入曲『タケシのパラダイス』>

ららら〜なんて素敵な〜ららら文字のパラダイス!
ららら〜それは〜お・ね・え・さ・ん!

これがタケシ、人生最後の歌となった………

<一方その頃>
「置いてきちゃっていいの?」
 さっぱり姿を現さないタケシを心配してハルカが
ポツリと言った。
「どうせ、すぐ追いつくよ!それよりも、早くヒワマキタウンに
ついてジム戦したいぜ!!」
 ま〜た始まったと、ハルカがため息をつく。
「僕が思うに………」
 と、突然マサトが言う。
「タケシは料理が作れるというステータスだけで、
他はなにげにトラブルメーカーなんじゃないかと思う」
 もちろんこのメンバーで料理を作るのはタケシだけであるから、
彼の存在は重要であるが………
「もし、お姉ちゃんが料理を取得していれば、すなわち!!
タケシはうちらのパーティーからいなくていいということになる!」
 ををを!!マサト確かに!!と、サトシは納得の表情を
あらわす!
「ていうか、この中で一番必要ないのってマサトなんじゃ………」
 ポケモンも持ってないし〜とハルカが続ける。
「チッチッチ!!甘いなお姉ちゃんは!!」
 キラン!!マサトのめがねが不敵に光る。
「僕は、半ズボンなんだよ!!ポケモンにショタキャラは
必須だと思わないの?」
 そういえば、半ズボンを履いているのって、マサトだけ………
それも、一理あるわねとハルカは思った。さすが、私の弟!
自分の役目をよく理解している。
「ちょ、ちょっと待てよ!!ショタキャラの役目は俺だろ!?」
 今まで7年間俺がその役目を担ってきたんだぜ!!
とサトシがマサトに反論を試みる!
「チッチッチ!!甘いなサトシは!!」
 キラン!マサトのめがねが不敵に光る!
「もう、古いんだよ!サトシは!!皆見飽きたの!!」

 がーーーーーーーーーーーーーーーーーン

「ぴ、ピカチュウ!!お、俺………もう駄目なのか!!」
「ピカピカ!!」
 イジイジといじけるサトシを、ピカチュウは必死で慰める
「マサト〜 本当のこと言わないの!」
 ゴンと弟の頭をようしゃなく殴りつけるハルカ。
「だって〜」
「ほら、サトシ落ち込んじゃったじゃない!!」
「だったら、ワンパターンは止めて、キャラを変えることだね!
サト子ちゃんの方が、皆喜ぶんじゃないかな?」
 最後にポツリとマサトがそう言った………



 案外そうかもしれない………

 

ハルカ編に続き、サトシの視点…ではなく。
ポケモンアニメに対する皮肉が混じっているようないないような…
自分はみんな必要だと思いますけどねぇ〜(笑)
ギャグ話でこういうのをやったら面白いかもしれませんね。

Commentator by 冬草


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