いじめか好意か

「バ〜カ!」
「ア〜ホ!」
ハ「な、何よ・・・」
「気にしなくていいわよ、ハルカ、男子なんてシカトよ!」
ハ「う、うん・・・」

ある男子が、一人の女子をからかっている。一般的によくある光景だが、ハルカはそのことをとても気にしていた。

とある帰り道

ハ「何で男の子って私の事をいじめるの・・・ひどいかも・・・」

しかし、ハルカはそんな中で、自分を支えてくれる一人の少年のおかげで、毎日を楽しく送っていた。

サ「よっ!」
ハ「きゃっ!」
その場に倒れこむハルカ。
サ「・・・なんだよ・・・そんなに驚く事はないだろ!?」
ハ「・・・だって・・・いきなり顔出すんだもん」
サ「・・・なんだ、また元気ないな、またからかわれた事気にしてるのか?」
ハ「う、うん・・・」
サ「気にするなって、そんなに深い意味はないからさ」
ハ「うん・・・そうかもしれないんだけど・・・」

サトシはハルカとは違うクラスで、学校でハルカとはなすことは少ないのだが、自分を励ましてくれるサトシの事をひそかに思っていた。

サ「じゃあな、ハルカ」
ハ「う、うん・・・じゃあね」

翌日

「・・・おい!」
ハ「な、何よ・・・」
「今日放課後体育館の裏に来い!」
ハ「な、なんでよ・・・」
「ハルカ、いっちゃだめよ、またからかわれるわよ!」
「そうよそうよ!」
ハ「・・・」
「なにもしないからさ、な!?」
ハ「・・・」

放課後

結局ハルカは、しぶしぶからかわれることを承知で体育館の裏へ向かった。

ハ「何の用よ・・・」
「・・・実は俺・・・おまえが好きだ!」
ハ「!!!???」

なんと、今までからかわれた男子に告白されたのだ。

ハ「ど、どういうつもり!?」
「・・・その・・・すっとおまえの事が好きだったんだ・・・」
ハ「・・・」
「なんていうか・・・おまえの事が好きでしょうがなくて・・・結局からかっちゃってたんだよな・・・」
ハ「・・・そうなんだ・・・」
「・・・ごめん・・・本当にごめん・・・許してくれなくてもいい・・・
友達からはじめてくれないか?」
ハ「・・・ごめん・・・私・・・好きな人がいるの・・・友達としてなら・・・」
「そ・・・そうか・・・わかった・・・じゃあな」
ハ「うん」

帰り道

ハ「・・・告白されちゃった・・・でも・・・私は・・・」
サ「よっ!」
ハ「キャッ!」
サ「・・・なんだよ、驚きすぎだって・・・」
ハ「・・・(私だって・・・)」
サ「ん?どうしたんだ?またからかわれたのか?」
ハ「・・・告白されたの」
サ「ブ〜〜〜!!!」
ハ「な、なによ」
サ「・・・い、いや・・・誰にだよ」
ハ「・・・私がからかわれてた男の子・・・」
サ「ブ〜〜〜〜〜ッ!!!」
ハ「・・・もう!」
サ「・・・なんでまた?」
ハ「私の事が好きだったんだけど、思いがいえなくてからかうしかなかったんだって」
サ「共感できるようなできないような・・・」
ハ「・・・でも・・・断った!」
サ「・・・ん?」
ハ「私には好きな人がいるから」
サ「・・・だれだよ」
ハ「・・・・・・サトシ・・・・・・」
サ「ブ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!!」
ハ「・・・なによ・・・」
サ「・・・ほ、本当か!?」
ハ「う、うん・・・」
サ「・・・えへへ」
ハ「なによ!」
サ「・・・なんでもないぜ、なんだか嬉しくて」
二人の手がつながる。
サ「俺もおまえの子と好きだぜ、これからも宜しくな!」
ハ「う、うん!」

 
からかいという名の恋愛。
男はそういうものなのだ。
それを乗り越えて新たに生まれた恋愛。
それは本物の恋愛。
いじめではなく愛なのだ。
そのご、ハルカをからかう男子はなくなり、サトシとハルかもだんだんカップルらしくなってきた。
その後も・・・きっと・・・いや、絶対に・・・


 

好きな子はからかいたくなるって心情、かなりあるようですね。
自分はあんまり分からなかったり…(笑)
それでも、変わらないサトシへの想いは、やっぱり真剣なんですね。

Commentator by 冬草


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