三日間

愛しい人に会えないという事・・・
それがどんなに悲しいことなのか・・・
そう、それがわずかに三日間だけだとしても・・・
会えないという事でどんなに辛い気持ちになってしまうのだろうか・・・
それは、サトシが電話を終えた時に起こった。

サ「おれ、明日ちょっと用事があってハナダジムに行かなきゃいけないんだ」
タ「用事!?いったいどんな?」
サ「・・・カスミが、俺に会いたいからきてくれって・・・」
マ「・・・カスミがそんなこといったのか!?」
サ「あ、ああ・・・すげぇ辛そうだった・・・今にも泣き出しちゃいそうな・・・悲しい目をしてた」
タ「・・・そうか、きっとカスミはサトシに何か特別な思いを寄せているんだろうな」
サ「・・・そうなのかな、でも、あんな表情で頼まれたら断るわけにもいかねえしな」
マ「そうなんだ・・・頑張ってよ、ヒューヒュー!」
サ「こら!マサト!」
マ「へへへ///」
ハ「・・・」
サ「・・・ハルカ、どうかしたのか?」
ハ「え?・・・な、なんでもないかも・・・」
サ「・・・そうか」

出発の時
サ「じゃあ三日間だけど行ってくるぜ」
タ「ああ、カスミをきちんと励ましてやれよ」
マ「がんばってね★」
サ「・・・」
ハ「・・・」
サ「ハルカ!」
ハ「え、え!?」
サ「・・・どうかしたのか?」
ハ「な、なんでもない!」
私は思わず走り出した・・・愛しい人が他の人を思っているのではないかって不安になったんだもの・・・
サトシは船に乗って、姿を消した。

サトシが出発してから一日目
ハ「・・・」
タ「ハルカ!ご飯できたぞ!」
マ「お姉ちゃん!早く!」
ハ「・・・私いらない」
タ「・・・どうかしたのか?元気ないぞ!」
ハ「ほっといてよ!!!」
タ「・・・???」
そのときだった、マサトがいきなり近づいてきた。
マ「お姉ちゃん、泣いてるの?」
ハ「!!!」
泣いてるのがばれちゃった・・・悪いのは私なのに・・・なのに・・・なぜかみんなにあたってしまう・・・
ハ「ほっといてよ!!!」
私はマサトのほッペに思いっきりビンタをしてしまった・・・
マ「・・・お姉ちゃんのバカァ!!!」
今思えばなんて事をしてしまったのだろう・・・
タ「・・・もしや・・・サトシが原因か・・・」

二日目
ハ「・・・」
タ「・・・」
マ「・・・」
泣く事しかできなかった。
みんなは気を使っているのか話しかけてこなかった。
ハ「サト・・・シ・・・」
タ「・・・」
マ「お姉ちゃん・・・サトシが好きだったんだ・・・」
タ「どうやらそのようだな・・・カスミを心配するサトシを見て不安になったんだろうな・・・」

三日目
タ「今日はサトシが帰ってくる日だったな・・・」
マ「・・・お姉ちゃん・・・」
・・・サトシ・・・あなたは私の事をどう思ってるの?
私はいじけていたのかもしれない・・・サトシを迎えに行くのを拒んだ。
タ「・・・サトシと会いたくないのか?」
マ「そうだよ!一番会いたがってたのはお姉ちゃんじゃない!」
その通りだった。会いたかった。でも・・・サトシと会うのが怖かった・・・なぜかはわからない・・・私は黙って森の中に走り出してしまった。
タ「・・・仕方ないか、俺たちだけで迎えに行くぞ。」
マ「うん・・・」


サ「よおみんな!」
タ「・・・帰ってきたか!」
マ「お帰りサトシ!まあいてもいなくても変わらなかったけどね!」
サ「・・・相変わらずマサトはひでぇやつだな!」
タ「・・・」
サ「・・・ハルカは?」
タ「・・・そのことなんだが・・・」
マ「・・・」
サ「???」
タ「実は、カクカクシカジカのペラペラってことになってるんだ」
サ「・・・ハルカが俺に思いを寄せている?どういうことだ?」
タ「・・・ハルカはおまえがいなくてかなり落ち込んでいた・・・俺たちが見たハルカの顔は泣き顔や悲しみに染まった顔・・・だから、おまえがハルカを慰めてやってくれないか?」
サ「・・・わかった」
マ「お姉ちゃんならそこの森の中にいるよ」
サ「・・・」

私はサトシに会いたくなかった。
森の中にある木に寄りかかって泣きじゃくっていた。
そのときだった・・・一つの声が聞こえた。
その声を聞いた瞬間、私は複雑な気持ちになった。
サ「・・・ハルカ、やっとみつけたぜ!」
息を切らして私の前にいたのは、まぎれもなくサトシだった。
サ「・・・事情はタケシから聞いた・・・ごめんな」
ハ「・・・え?」
サ「あ、あのさ、ハルカって・・・俺のこと・・・好きなんだって?」
ハ「・・・!!!」
サ「・・・おれさ・・・ハナダジムに行ったとき、いきなりカスミに告白されたんだ」
ハ「・・・」
サ「・・・でも、俺は断った・・・」
ハ「ど、どうして?」
サ「俺のことをこんなに思ってくれている・・・俺が三日間いないだけで、こんなに悲しんでくれる人がいる・・・それなのにオッケーなんていえるかよ・・・」
ハ「・・・サトシ・・・」
サ「・・・俺が好きなのは・・・ハルカ!おまえだ!」
ハ「うっ・・・サトシィ!!!」
私はサトシにもたれかかるようにして抱きついた。だって・・・うれしかったんだもの!
ハ「うれしい・・・私も大好き!サトシが大好き!!!」
サ「・・・」
二人の唇が一つになったのを、タケシ達は影から見ていた。
タ「・・・良かったな、ハルカ!」
マ「お姉ちゃんにしてはやるじゃないか!」
本当に辛かった・・・たったの三日間、思いを抱いている人にあえないなんて・・・でも・・・サトシの気持ちにきずいた時・・・その悲しみは180度ひっくりかえったかのように嬉しさに変化した。


 

ハルカの辛い気持ちが痛いほどよく分かります。
好きな人が傍にいない、それが遠くへ行ってしまいそうな時、どれほど悲しいか。
でも相手が自分のことを好きだと分かった時は本当に嬉しいでしょう。
ハルカの想い、サトシに伝わっていて良かったですね。

Commentator by 冬草


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