おまけ

きっと誰かが疑問に思うだろう
風呂はどうしたのか。
ハルカは体が満足に動かせない
だから一人で入れば、溺れる。
ではどうしたのか・・・・。

 

小屋にいたある日の夜。この時はまだキノガッサは倒していない。
二人は部屋である会話をしていた
「ねぇ。お風呂とかどうする?」
「ん?」唐突に聞かれたので、サトシは何のことか分からなかった。
「だから、お風呂はどうやって入ろうか聞いてるの。」
「待て、俺に言われてもなぁ・…。」腕組みしてサトシは何とか考えてみる。
ハルカ一人で風呂に入れば、溺れる可能性は高い。でもハルカも女の子、風呂には入りたい。
「どうするんだよ?」サトシも分からなかった。
ハルカも考える。
(ここって一応お風呂あるみたいだけど、私一人じゃ不安かも。
それに上手く歩けないし・…。あ、これなら・…)
「そうだ、サトシ。」ハルカはとんでもない提案をサトシに突き出した。
「一緒に、お風呂に入ろ?」
その言葉はサトシのソウルを一瞬体から引き離そうとした。
「い・・…今なんて!?」
「だから、一緒にお風呂に入ろうって言ってるの。」
何とも軽軽しくハルカは言ってのける。
サトシは早まる心臓の鼓動を抑えつつ、色々と考え始めた。
(ま、待て。何でハルカが俺と風呂に一緒に入ろうとか言ってるんだ?)
それを見てハルカは言った
「サトシがいれば、滑ったりしても大丈夫でしょ?
勿論水着でね。何か期待してなかった?」
それを聞いてサトシはほっとした。
「な、な〜んだ。」
「でも本当に一緒に入ってもらうんだから。」
初めての体験だ、初めて異性と風呂に入るのである。
流石にサトシも心臓やらにきた。
「そういえば、どこで着替えるんだ?」(まさかここで着替えるとかいうんじゃないだろうな。)
サトシはハルカに聞いてみる。
「ここで着替えるに決まってるじゃない。」
またサトシはソウルが体から引き離されそうになった。
そしてサトシは赤面した。
「ここで着替える!?」
「そうよ、でも大丈夫、上を見て。」
サトシは部屋の天井を見た。
カーテンレールのようなものが壁から壁まである。
ハルカは部屋の電気のスイッチの隣にある物を指差した。
「それ、押して。」
サトシはその物に近づき、よく見てみた。
丸いボタン、どうやらボタンはゴム製でできているようだ。
サトシはボタンを押した。
頭に布が降ってきた。
「な、何だよこれ!?」
ハルカはクスッと笑いながら言った。
「カーテンよ、カーテン。」
「これがぁ?」サトシは布をどけてそれを良く見てみた。
肌色に近いクリーム色をしている大きなカーテン。
「そうか、これで壁を作ればいいんだな?」
「そういうこと。」
「着替えるのは大丈夫なのか?」
「それくらい、一人でできるかも。でももしかしたら手伝って欲しい・・・。何て冗談よ!」
サトシにはちょっと冗談に聞こえなかった。
そんなこんなで二人は風呂に入り、背中を流したりした。
ちょっとドキドキしたが、これも仕事だとサトシは言い聞かせていた。
 

さて、キノガッサを倒した日の次の日の夜
ハルカは積極的なサトシが忘れられなかった。
(あの木の実はもうくれないみたいだし・…そうだ!)
ハルカはまた良からぬ事を企んだ。
またサトシを積極的にさせようと言うのだ。
「そろそろお風呂に入らない?」
「そうだな、今日はハルカ一人で入らないか?」サトシは何かを察知したのかハルカ一人ではいることを提案した
「何だか、二人で入りたいの。」ハルカはわがままを言った。
「おいおい・・・。」サトシはあきれた。
「本当は一緒に入りたいんでしょ?」
(ギクッ。)当然ながら図星だった。
「しょうがねーな、じゃ、カーテンっと。」サトシは例の丸いボタンを押した。
何でか知らないがいつも頭の上に布が降ってくる。
位置につきサトシは海パンに着替えながら考えていた。
(なーんか考えてるな、ハルカ。)

ハルカの攻撃が始まった。
(確かここに、懐中電灯が…。)ハルカは懐中電灯を自分に当てた。
その光はカーテンに向かっている。
(そして、これ。)ハルカはいつもとは違う水着を取り出した。
ビキニでちょっと危ない、紐で結ぶタイプで色は黄色
しかし肩紐などなく、胸を覆う部分はいつもよりも小さい・・・。
はっきり言って挑発するような物である。
(サトシの反応、見てみたいかも。)
そしてハルカは着替えはじめた

ふとサトシは二人を隔てるカーテンを見た。
(あれ、影があったっけ?)
ハルカの人影が写っていた。
サトシがハルカの影を見ているといきなり服を脱ぎ始めた。
まずはスパッツ、次は上着、そしてバンダナ。
脱ぎ方が明らかに挑発していた、ゆっくりとゆっくりと
もったいぶらし、妖しい脱ぎ方をする
(!!!!)サトシは顔が赤くなった。
それでもサトシは目をそらさなかった。
見たいという潜在的な感情が彼にはあった。
だがカーテンを超えてはいけない、それはサトシの理性と言うものがあったためだ。
ちなみにサトシは既に着替え終わっている、結構早い。
ハルカは下着の上の部分を取った。
そしてわざとカーテンに体を横に向けた
つまり、サトシから見るとハルカの影が横から見えるようにしたのである。
(これでどうなるかな?)ハルカはニヤリとした

当然サトシは・・・
(あぁぁぁぁ!)心で叫んだ
影でもはっきりと見える。
何だか女性にある膨らんだ物が写っている
(やばいやばい!また俺暴走するぞ!?)
サトシは目を反らしたかったが反らしたくなかった。
結局は見ていたいのである。何故彼をそうさせたのかは何となく想像がつく
いよいよハルカが下半身の下着も脱ぎ始めた
やっぱり影でもはっきりと分かる
下着が影となってカーテンに写るのである
サトシは右手がカーテンへと勝手に動きそうになった
だがすぐに左手で押さえた。
(あ、あぶねえ・・・いくら俺とハルカの関係があれでも・・・。)
またハルカの影を眺めると今度は水着を着始めた
まずは上から。
(あれ?いつもとは違うのか?)
後ろの紐を結んでいるのを見て、サトシはそれに気がついた
そして下の方もはき始めた
(また紐なのか?)
とりあえず、サトシはこの時は落ち着いていたので良かったが
またサトシのソウルが身体から吹き飛びそうになったのだ
「おまたせ。」
ハルカが勢い良くカーテンを開くと
(あ!)サトシは声に出せなかった
肩紐のないトップの部分
下半身の方は両脇にちょうちょ結びで結んだ紐がある
可愛いというか、色っぽいというか・・・
(やりすぎ。)とりあえずサトシはそれしか言えなかった。
まだ心臓がドキドキしている。まだ慣れていないからかもしれない。
「じゃ、入ろ?」ハルカはサトシの手を取っていった。
「あ、ああ。」
「あれ?サトシの顔、真っ赤かも。」ハルカはクスッと笑った
(当たり前だろ。)サトシは心の中で呟いた

風呂場はこの部屋にあるわけではなく
部屋の向かいにある。それはいいとして
いよいよ二人は風呂に入ることになった
湯船は二人ほど入れる。
家庭でもよく見られるタイプの風呂場だった。
二人は桶で身体を洗い流すと湯船に浸かった。
「あ〜やっぱり気持ちいいかも。」
ハルカは自分の白い腕に湯を刷り込ませるように動かした。
(やばいな、まだドキドキしてるぞ。暴走するわけには・・・。)
俯き、さっきからサトシはこんなことばっかり考えていた。
「どうかした?」ハルカの声でふとサトシは顔を上げた
(や、やっぱり可愛いな・・・。)
湯煙もあり、ちょっとハルカの姿は見えにくい
肩紐が無いために、ハルカが裸で入っているような錯覚を起こさせる。
また何かがサトシを襲った
(っ!今日は暴走しないぞ・・・。)サトシは深呼吸した。
(またサトシ、我慢しちゃってるかも。
でもそこがおもしろいかも。)ハルカは次の作戦を考えた
ハルカは湯船からあがると、身体を洗うためにいすに座った
まずは髪から、特にこれは何も作戦は考えていないらしく
シャンプーで髪を洗い、そしてそのまま流した
(次が勝負!)ハルカはまたニヤリと笑った。
ハルカは背中に手を回すとピンと何かをした。
「ねぇ、背中洗って。」
「ん、ああ。」サトシも湯船からあがりもう一つの椅子に座った
ハルカから石鹸のついたタオルを受け取ると
サトシはハルカの背中をゴシゴシと拭き始めた。
(これは慣れてる・・・・大丈夫だ。)サトシは必死に自分に言い聞かせている
するといきなりハルカのビキニの上の方がほどけ始めた。
「あ!」サトシが慌てて紐に手を伸ばすが、間に合わずそのまま床に落ちてしまった
「ちょっと、サトシ何やってんのよ。」
いきなりハルカがちょっと怒ったような顔で、こちらに振り向いた
「いっ!?」サトシはハルカの何か見てはいけないものを見てしまったかもしれない。
慌ててサトシは目を瞑った。
そしてハルカが言った。
「もう、ほどいちゃうなんて・・・許して欲しい?」
サトシは頷いた。
(そう、これを待ってたのよ。)
「じゃあ、この状態で私の身体全部洗って。」
そう言われてサトシはめをつぶりながら言った
「でっででででで、出来るわけ無いだろ!」サトシは慌てた。
間違いなくそんなことをしたら暴走するだろう、と。
「ふーん・・・・しないんだぁ。
そんなんだったら、サトシのこと、嫌いになっちゃうかも。」
「え、それはやめてくれって・・・。」
思わずサトシは目を開けてしまった
・・・・見てしまった。
見えた。
 

見えた。
何が見えたかって?ハルカがサトシの方を向いてるんだ
見てはいけないものを見てしまった。
「じゃあ、決まりね。」ハルカは笑った
サトシは開き直った。
「ああ・・・・分かったよ!洗ってやろうじゃないかよ!」
というか逆ギレに近かっただろう。
「後ろ向いて!」
「え、う、うん。」ハルカはサトシの言動にちょっと驚いた
いきなり両脇を掴まれた。
「やれって言ったんだろ?やってやろうじゃねぇか。」
実はサトシ、やけくそだった。
(うーん・・・これって成功?ま、木の実無くても積極的になることが分かって)「きゃあ!」思わずハルカは声に出してしまった
とにかくハルカの身体をタオルでゴシゴシと洗う、
脚だとか、脇だとか、腕だとか、足だとか、肩だとか
意外と洗うのが上手い。でも少し乱暴、やけくそだったのでしょうがなかったかもしれない。
「最後に!」サトシの声が風呂場に響いた。
ハルカは何気に両脇を掴まれているので抵抗ができない。
元々抵抗する気なんて無かったのだが。
ハルカはある部分が優しくふれたのを感じた
「ここも、やれって言うんだろ?どうせ。」サトシは落ち着いていたのか
落ち着いていたのか分からない
ただこの時の喋り方は普通だった。
「う、うん。」
「本当は、こんなことしたくないんだぞ・・・。」
サトシは滅茶苦茶赤面した。
「分かってる、でも本当はやりたかったんでしょ?」
「お、お前がいいんならな・・・。」
するとハルカはある部分を中心に優しく動くのを感じた。
「サトシって・・・結構良いかも・・・あっ・・・。」
「そんな声出すなよ。」サトシはため息混じりで言った。
サトシはハルカが満足するくらいにやらされた。
はっきり言ってサトシはストレスがたまったのかスッキリしたのか
自分でも分からなかった。
やりたくないは、やりたいの裏返し・・・どこかでそんな言葉を聞いたことがある。
「ハルカって・・・意外とあれなんだな。」
「サトシだって・・・。」

 

ヤスオの研究所
「タケシ君、また新たな何かをキャッチした。」ヤスオが腕組みしながら言った
いつものごとく何故かタケシがいる
「それは何ですか?」
「済まない、これは君でもちょっと・・・いや、言っておこう。」
ヤスオはタケシの耳元で何があったのか憶測で言った。
「予想はしていたが・・・あの二人。」タケシは何かが悲しくなってきた。
「世の中には理論で説明できないことがある。
例えば、今のがそうだろうな?違うか。」ヤスオはククッと笑った
「さて、メディテライザーのデータ更新とキノガッサの更正っと。
リバースは悪に渡らせてはいけないからなぁ・・・・。」
「はぁ・・・。」タケシはただ、ため息をつくばかりだった。


戻る