いつまでも

ミシロタウンで彼に会って、私は変わっていった。

彼の真っ直ぐな所が、なんだか彼らしくて、そんな彼に私は魅かれていった。

その事に気づいたのは、あの日、鋼の谷の時、

懸命に私を助けようとしてくれる彼を見て、ドキッとしたの。

嬉しいとは、少し違う感情、その時に、私は彼が好きだってことに気づいたの、

でも、彼とサトシは、それぞれ違う夢を持ってる。

いつか、分かれないといけないのかな・・・

 
タ「よし、今日はもう遅いからこの丘で野宿だ」
タケシの言葉に、サトシとマサトがテントを用意する。
だがハルカは、考え事をしているのか、丘の上で空を見上げていた。
マ「お姉ちゃん、最近ずっとああだよね」
タ「何か悩みでもあるのか?」
サ「俺ちょっと行ってくる」
そう言ってサトシは、テントを持っている手を離した。
テントが少し崩れる。
マ「ちょ、ちょっとサトシ」
タ「青春だねー」
タケシが顎に手を当て呟いた。そのせいで、完全にテントが崩れ、マサトが下敷きになる。
マ「タケシー、助けてー」

サ「何やってんだよハルカ」
ハ「サ、サトシ」
サトシが声をかけると、ハルカがビクッとして振り向いた。
サ「なんでそんなにびびるんだ?」
ハ「え?あ、な、何でも」
ハルカの反応を見て、これ以上追求しない方がいいとサトシは悟った。
サ「隣、いいか?」
ハ「あ、うん」
サトシは、ハルカの横に腰掛けた。
サ「星が綺麗だな」
ハ「うん」
サ「なあハルカ、あのへん、何座か分かるか?」
ハ「え?どの辺?」
ハルカは無意識に、サトシに顔を近づけ聞いた。
サ「ほら、あの辺」
ハ「わかんないかも」
サ「あの辺は確か冬の大三角形だよ」
ハ「え?そうなの?」
サ「ほら、あそこに大犬座のシリウス、向こうに子犬座のプロキオン、んでもってあそこにあるのが、オリオン座のペテルギウス」
ハルカはサトシを唖然とした顔で見ていた。
サ「なんだよ、俺どこか間違ってたか?」
ハ「ううん、そうじゃないの。サトシがそういうの知ってるって意外かも」
サ「なんだよ、俺だってポケモン以外にも知ってることいろいろあるぜ」
ハ「じゃあ他にどういう事知ってるの?」
サ「例えばだなぁ」
二人が楽しく会話してる時、タケシとマサトは、
マ「なんだよ二人とも、手伝わずに仲良く話なんかしちゃってさ」
タ「まあまあマサト、そんなに怒る事じゃないだろ」
マ「怒るよ、だって僕はサトシとタケシが手を離したせいで危なかったんだぞ」
タ「もういいじゃないか、大事には至らなかったんだから」
元々、大事に至るわけがないのだが、タケシはマサトを落ち着かせようと嘘をついた。
マ「でも許せないよ」
タ「(汗)」

ハ「ねえサトシ」
サ「ん?何だ?」
ハ「サトシは、この地方の旅が終わったらどうするの?」
サ「そうだなぁ、またどこかのリーグ出場の為に別の地方を旅するかもな」
ハ「そっか」
やっぱり、別れる運命、そう思うと、涙が溢れてきた。
サ「な、どうしたんだよハルカ、俺なんかいけない事言ったか?」
突然の事に、サトシはびっくりする。
ハ「ううん、そうじゃないの、ただちょっと、悲しくて」
サ「悲しい?」
サトシは、何故悲しいのか分からず、首を傾げる。
ハ「うん、サトシと別れたときの事考えると、悲しいの」
ハルカは、涙を隠すように、顔を埋めた。
ハ「でも、自分の夢は叶えたい。だから、どうしたらいいか分からないの」
ハルカの声は、明らかに涙声になっていた。
サトシはそんなハルカを、優しく抱きしめてやった。
サ「なら、俺が夢を叶えるまでハルカの傍にいるから、ハルカの夢が叶ったら、俺と一緒に別の地方を冒険しよう」
サトシの言葉に、ハルカは顔を上げて聞いた。
ハ「いいの?いつになるか分からないのに」
サ「リーグもジムも逃げない。だからいつまでも一緒にいるよ」
ハ「ありがとう、サトシ」
そう言ってハルカは、サトシを抱きしめ返した。

タ「はいはい、子供の見るものじゃないよ」
そう言ってタケシは、マサトの目を自分の手で覆った。
マ「何すんだよタケシー」

サ「みんなが待ってる戻ろう」
ハ「うん」
そして二人は歩き出した。二人のその手は、しっかりと握られていた。
ハ(いつまでも、一緒にいられたらいいな)
ハルカが心の中でそう願った時、空に一つの線が流れた。
二人はいつまでも、共に歩き続けるだろう。そう、いつまでも、終わりなく歩いていくだろう。


 

いつかやってくるかもしれない、サトシとの別れ。
ずっと一緒にいたいと願い、またサトシも同じ願いを込めた星を見つめている、
二人の優しい気持ちが重なりあっています。
ハルカの願い、叶う時にはサトシも一緒にいてほしいですね。
Commentator by 冬草


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