ホウエン地方を旅するサトシ達。
旅の途中にとある村に立ち寄った。
サトシ「なんだかこの村はずいぶんにぎやかだな」
ハルカ「そうね、何かあるのかしら」
マサト「あれっ?これじゃないの?」
マサトは張り紙を指差す。
サトシ「何々・・・ポケモン夏祭り?」
タケシ「どうやらお祭りのようだな」
ハルカ「ほんと?お祭り行きたいかも〜」
マサト「そうだね遊んでいこうよ」
ハルカ「ねえ、いいでしょサトシ?」
サトシ「まあ、ジムのある町はまだ先だし、いいんじゃないか?」
ハルカ「じゃ、決まりね!」
と嬉しそうに言った。
タケシ「お祭りは午後八時からだな」
マサト「じゃあ、それまで自由行動でいいの?」
サトシ「ああ、いいんじゃないか?」
タケシ「そうだな」
ハルカ「じゃあ、私は買物してくるわ、サトシ一緒に行きましょ?」
サトシ「ん、ああ、いいよ」
ハルカ「じゃあ、後でね」
サトシ「タケシ達はどうするんだ?」
タケシ「俺はポケモンセンターに行って部屋をとってから、買物かな」
マサト「僕もそんな感じ」
サトシ「わかった、じゃあ、後でな」
そういうとサトシとハルカは行ってしまった。
マサト「仲がいいね〜あの二人は」
タケシ「そうだな〜」
マサト「お祭りの時二人っきりにしてあげようか?」
タケシ「それはいい考えだな」
と二人はニヤニヤ笑いながら言った。
ポケモン夏祭りに行くことになったサトシ達。
お祭りにはまだ時間があるのでハルカとサトシは買物をすることにした。
ハルカ「あ〜これ、かわいいかも〜」
目をキラキラさせながら買物をするハルカ。
サトシはやっぱりこうなるのかと思いながらハルカを見ている。
サトシ「ほんと買物好きだよな〜」
ハルカ「だって買物って楽しいじゃない、サトシは何か買わないの?」
サトシ「いや、このあとお祭りだからあんまりお金使うのもな〜って思ってさ」
ハルカ「あっ、そっかこのあとお祭りあるんだっけ、忘れてたかも」
サトシ「忘れるなよ・・・」
ハルカ「じゃあ、あんまり無駄づかいできないかも」
サトシ「それじゃあ買物は終りでいいか?」
ハルカ「え〜まだ他のお店行きたいかも〜」
サトシ「ま、まだ行くのか?」
ハルカ「お祭りまでまだ時間があるしいいでしょ?」
ハルカはサトシをみつめる。
サトシ「わ、わかったよ」
ハルカ「そうこなくっちゃ!」
ハルカの顔がパァっと明るくなる。
〜別の店〜
ハルカ「え〜と、これぐらいかしら」
サトシ(や、やっと終わった・・・)
サトシはハルカの買物に付き合わされてぐったりしている。
ハルカ「あ〜これかわいいかも〜」
サトシ(ま、まだあるのか・・・)
ハルカ「ねえ、サトシもこれ買わない?」
サトシ「えっ?」
ハルカ「ほら、あの浴衣」
サトシ「え〜でもなあ・・・」
ハルカ「ほら割引してて安いし、サトシおねがい」
サトシ「わかったよ、でもこれで最後にしろよ」
ハルカ「うん、わかった」
そしてハルカとサトシは浴衣を購入した。
サトシ「じゃあ、そろそろポケモンセンターに戻るか」
ハルカ「うん、そうだね」
買物を終えてポケモンセンターに戻ってきたサトシとハルカ。
あたりはもうすっかり暗くなっていた。
サトシ「すっかり暗くなっちゃったな」
ハルカ「タケシとマサトいるかしら?」
〜部屋〜
サトシ「タケシ〜」
ハルカ「いないのかしら?」
サトシ「あれ?手紙がある」
『先に祭りにいってるぞ』と書いてあった。
サトシ「俺達も早く行かないとな」
ハルカ「その前に浴衣に着替えないと」
サトシ「じゃあ、先にハルカが着替えていいよ」
ハルカ「うん、わかった」
そしてハルカが着替え終わった。
ハルカ「どう?似合う?」
サトシ「お〜似合う、似合う」
ハルカ「そ、そうかな」
サトシ「じゃ次、俺が着替えるわ」
サトシも着替え終わった。
サトシ「こんな感じかな?」
ハルカ「あっいい、いい、結構似合うじゃない」
サトシ「そうか?」
ハルカ「うん」
サトシ「じゃ行くか」
ハルカ「そうね」
〜お祭り会場〜
サトシ「お〜すごいな〜」
ハルカ「すごい賑やかね〜」
お祭りはサトシとハルカの予想よりすごかった。
サトシ「このお好み焼き最高だぜ」
ハルカ「このわたあめすごくおいしいかも〜」
サトシとハルカはお祭りを楽しんでいた。
ハルカ「あっサトシここ入りましょうよ」
と、ハルカが指差す。
サトシ「ポケモン肝試し〜?」
ハルカ「面白そうじゃない?行きましょ?」
サトシ「でもなあ〜」
ハルカ「恐いの?」
サトシ「別に恐くはないけど・・・」
ハルカ「じゃ決まりね!」
サトシ「お、おい」
ハルカはサトシの手を引っ張る。
ハルカといっしょにポケモン肝試しをすることになったサトシ。
ハルカ「すいませ〜ん、ここ入りたいんですけど〜」
店の人「は〜い、あっお客さんここはポケモン立ち入り禁止ですよ」
サトシ「えっそうなんですか?」
ピカチュウ「ピカ?」
店の人「はい」
サトシ「じゃあどうするんですか?」
店の人「出てくるまでこちらで預からせてもらいます」
サトシ「じゃお願いします」
ハルカ「私もお願いします」
サトシ「ピカチュウ少し待っててくれな」
ピカチュウ「ピカピカ〜」
店の人「え〜この道を真っ直ぐ行って途中に小屋があるのでその中からこのピカチュウマークの御札をとってきてそのまま進んで戻ってきてください、一応地図と懐中電灯渡しておきますね」
サトシ「わかりました」
ハルカ「それじゃあ、行きましょう」
〜森の中〜
サトシ「暗いな〜」
サトシは懐中電灯であたりを照らしながら言う。
ハルカ「そうね、結構恐いかも〜」
サトシ「面白そうって言ってたじゃないか」
ハルカ「それはそうだけど・・・」
ヨワマル「ヨワ〜!」
サトシ「うわあ!」
ハルカ「きゃあ!」
草むらからいきなりヨワマルが飛び出してきた。
ハルカ「びっくりしたかも・・・」
サトシ「あの・・・ハルカ」
ハルカ「えっ?」
ハルカはサトシの腕にしがみついていた。
ハルカ「あっご、ごめん」
サトシ「いや、別に・・・」
進んでいくたびにゴーストポケモンがサトシとハルカを脅かすのであった。
そのたびにハルカはサトシの腕にしがみついた。
サトシ「ハルカ俺の腕にしがみついててもいいよ」
ハルカ「えっ?」
サトシ「そうすれば恐くないだろ」
ハルカ「え、え〜と・・・」
サトシ「遠慮するなって」
ハルカ「じゃ、じゃあ・・・」
ハルカはサトシの腕にしがみついた。
ハルカの顔は真っ赤である。
ハルカ(でも・・・もう恐くないかも)
サトシ「小屋ってあれかな?」
サトシとハルカは小屋へ入って行った。
ガタガタガタ!
突然扉が閉まった。
サトシ「な、なんだ?」
扉が閉まると壁からゴーストポケモンが一斉に出てきた。
ハルカ「きゃああ!」
サトシ「うわああ!」
しかしポケモン達はなにもせず戻っていった。
サトシ「恐すぎだぜポケモン肝試し・・・」
ハルカ「恐すぎかも・・・」
サトシ「あっえ〜と御札、御札・・・これか早く戻ろうぜハルカ」
ハルカ「え〜と・・・その・・・」
ハルカは座り込んでいた。
サトシ「どうしたんだ?」
ハルカ「腰が抜けちゃったかも・・・」
サトシ「へっ?」
ハルカ「立てないかも・・・」
サトシ「しょうがないな〜ほら」
サトシは手を伸ばす。
ハルカ「あ、ありがと・・・でもどうせならお姫様抱っこのほうがよかったかも・・・」
ぼそっとハルカは言った。
サトシ「えっ?何だって?」
ハルカ「う、ううん、な、なんでもないわ」
サトシ「お姫様抱っこのほうがいいとか何とかって・・・」
ハルカ「き、聞こえてるじゃない」
サトシ「わかったよ」
ハルカ「えっ?」
サトシはハルカをお姫様抱っこした。
ハルカ「ちょ、ちょっとサトシ・・・」
サトシ「お姫様抱っこのほうがいいんだろ?」
ハルカ「う、うん・・・」
帰りの道もゴーストポケモンが出ると思ったが帰りはイルミーゼやバルビートがいてとても綺麗だった。
サトシ「あっイルミーゼとバルビートだ」
ハルカ「綺麗かも・・・」
サトシ「そうだな」
こんないい雰囲気になるとつい大胆なことを言ってしまうのである。
ハルカ「サトシ、私ねサトシのこと大好きよ」
サトシ「へっ?」
ハルカ「サトシは私のことどう思ってる?」
サトシ「俺もハルカのこと大好きだよ、これからもずっとそばにいて欲しいって思ってる」
ハルカ「ほんと?うれしい・・・」
サトシ「そろそろ出口だ」
サトシとハルカは出口へ到着した。
サトシ「やっと出れた・・・」
ハルカ「恐かったかも・・・」
マサト「あ〜サトシにお姉ちゃん何やってるの?」
ハルカ「えっ?いや、こ、これは・・・」
サトシ「もう腰は大丈夫ですか?お姫様?」
ハルカ「なっ」
ハルカはボッと赤くなる。
マサト「あ〜やっぱりね」
ハルカ「ちょっと何言ってるのよマサト待ちなさい!」
ハルカはマサトを追っかける。
サトシとハルカにとって忘れられない夏になった。