彼女のために出来る事

サトシ「タケシ・・。町は後どのくらいなんだ・・?」
サトシがだるそうに聞いた。

タケシ「多分この道を通れば、もうすぐそこだな!」
ハルカ「とは言いつつも・・・」

ハルマササト「何なんだこの道は!!」
今から通る道。それは足場がとても不安定な
砂利道だった。しかもとても不気味なところである。
ハ「も―!また迷っちゃうじゃない!」
マ「僕もうそんなのこりごりだよ・・・」
姉弟が地面にぺたりと座り込む。
そんな二人の様子を見て、サトシは

サ「そんな事言ったって、ほかに道は無いんだろ?
とっとと抜けてさっさと町に着いた方がいいって!
さー行くぞ!」
ピ「ピッピカチュウ!」

こうして4人はしぶしぶ前へ進んで行ったのである・・。

歩き続けて10分ほど経っただろうか。

ハ「ひえ〜!怖いかも〜;;」
マ「た、確かにちょっと不気味だね・・・」
タ「ま、まあもうすぐ着くさ・・ははは」
なんともカチコチになっている三人に対しサトシは、

サ「だだだだ大丈夫だよ!!はは早く抜ければさぁ・・・」
三人以上にビビッていたのである(サトシファンさんすみません;

その時、

サ「わっ!何だあれ!!」
ビュウウウウ!!
大きな羽をはばたかせて、ぐんぐんこっちへ向かってきた。

マ「あれはオニドリルだよ!早く逃げないと!」
マサトの忠告にもかかわらず、のんびりと
図鑑を開いている人物がいた。

サ「お。確かカントーにもいたぜ!なつかしいなー」
ピ「ピ!ピカピカチャア!」

タ「お、おいサトシ!危ない!」

サ「え?わ、わあ!!」
思わず手で顔を覆ったが、何の激痛も走らない。
おそるおそる目をあけて見た途端、頬に血が飛び散った

サ「ハ、ハル・・」
サトシの身代わり(は?)になっていたハルカが倒れた。

マ「お、お姉ちゃん!!」
タ「とにかく早いうちに次の町に行かないと・・!」
タケシがハルカを背負って、マサトと共に走り出した。

タ「おいサトシ!置いてくぞ!」
マ「早く来てよお!」
後ろから声が聞こえる。しかしサトシは
一向に動こうとしなかった。

タ「先に行くからな!なるべく早く来いよ!!」
そういうとサトシを残し、走り去ってしまった。

サ「お、俺・・。」
そう言うと、地面に座り込んでしまった。

30分後。

サトシはようやく町の病院に到着した。
マ「あ!サトシ。やっと来たかぁ。遅いよぉ!」
苦笑いしながらマサトがサトシに問いかける。

タ「ハルカ、そんなに傷は深くないから心配するなよ!」
下を向いているサトシにタケシが励ましの言葉をかけた。

サ「そんなにひどくないのか?」
マ「うん」
それを聞いて少しほっとした。自然に笑顔になってくるのが
分かった。

サ「よ、よかったぁ〜;;でも、まずハルカに謝らなくちゃ;;」
そういうとサトシはハルカの元へ行った。

タ「サトシ!あんまり騒ぐなよ」
マ「迷惑かけちゃだめなんだから!」

サ「俺を子ども扱いするな!」

 

そして―

サ「ワー――!!迷った迷った!!ピカチュウここどこだ?!」
ピ「ピ、ピカチャア・・?」
広い病院内で迷ってしまったサトピカコンビ。
その時、ひとつのドアが開いた。

看「ちょっとあなた。うるさいから静かにしてちょうだい;」
看護婦さんだ。

サ「あ、すみません・・。えーっと・・あの、ハルカって人
どこに居るか知りませんか・・?」

看「・・・?」
知るわけないか・・。と言う思いを抱き、看護婦さんに
「すみません」と声をかけようとした時、

看「ハルカさんならここよ。あなた知り合いかしら?」

サ「え??」

サ「あ、それで。容態は??」
軽い気持ちでハルカの容態を聞いて見る。

看「う〜ん;ちょっと今は・・・」
固い顔をして言った。

サ「わ、悪いんですか・・?」

看「頭がやられちゃった見たいなのよ。だからまだ・・」
だんだん不安がこみ上げてきた。
サ「命は大丈夫ですよね・・?」
聞くのが怖かったけど、聞かなきゃ分からない。

看「今はなんとも言えないわ・・」
その一言でサトシは目の前が真っ暗になった。
サ「そ、そんな・・。タケシ達そんな事・・」

ショックを受けたサトシは、ロビーに向かって駆け出した。
そして・・・

サ「おいタケシ!どういう事だよっ!」

タ「落ち着けよサトシ。きっと大丈夫だ。傷くらいすぐ治るさ」
気軽なタケシにマサトも

マ「そうだよ。傷だけなんだから、すぐ治るよ。」
サトシはそんな二人をみて、イライラしてきた」

サ「命かかってんのにさぁ!何だよその態度!!」
そう言うと、またどこかへ駆けていった。

サトシは、近くにあった病院のいすに腰掛けた。

サ「・・・・はぁ」
小さなため息をついた途端、

マ「サトシーー!!」
マサトが走ってきた。息を切らしながら。

サ「マサト?」きょとんとするサトシに、マサトは
マ「はぁ・・はぁ・・。もう!こんなトコにいたのかぁ・・。
探したよ・・:」

息を切らすマサトを、サトシはただじっと見ていた。

マ「あのね・・。ちょっとサトシに話したい事があるんだよ・・」

 
サ「?」

マサトはサトシの隣に座ると、ゆっくり話し始めた。

マ「ごめんねサトシ。先におねえちゃんが危ない事
言わなくて」

サトシは黙っていた。

マ「あのね、僕サトシに心配かけたくなかったんだ・・。
タケシは反対したけどね・・」

サ「そんなのわかってる・・」
無愛想に答えるサトシに、マサトは話を続けた。 マ「お姉ちゃんは、サトシの事好きなんだよね・・
・・・仲間としての「好き」なのか、恋愛として
「好き」と見てくれてるのかは判らないけど・・」

サ「・・・・」
横目でマサトを見ながらも、しっかり話は聞いてるようだ。

マ「どっちにしろ、お姉ちゃんはサトシの事を大切に思ってるよ。
だからかばったんだよね・・?」
下を向いてマサトは話す。

マ「もし、サトシがお姉ちゃんの事を『可愛そう』とか思ってるんだったら、僕はおねえちゃんが嬉しいと思う事は無いと思うよ」

サ「・・?」

マ「せっかく助けてあげたのに、『有難う』って言う言葉よりも
『可愛そう』って言葉が来たら、僕も嫌だし・・さ」

サトシはなかなか言葉が飲み込めないみたいだ。

マ「だから、喜んであげなよ。助けてくれて有難うって」

サ「・・な」

マ「??何?」

サ「別に・・・。」

マ「・・・分かってくれたらそれでいいや!だからね
お姉ちゃんのこと、可愛そうだって思わないでくれればいいから。
そんなこと考えるなら、お姉ちゃんに出来る事考えなよ??」

サ「・・・!そうだな!サンキュウマサト!なんかやる気出てきたぜ!」

マ「役に立てればそれでいいよ!僕が一番お姉ちゃんの事
知ってるんだから!」

サ「だな!じゃあ、ハルカに出来る事を早速考えるぞー!!」

マ「僕は協力しないケド・・。まあ頑張ってね!

サ「ああ!」

サ「っと言いつつも・・」
腕組しながらじっと動かないサトシ。

サ「ハルカにやれる事・・ハルカにやれる事・・。ハル・・・
・・・だーーー!!」

ピ「ピカチュ!」
サ「あ、そういやここ病院だ・・;」
大声を出したら周りの迷惑。とピカチュウがとっさに
教えてくれたみたいだった。

サ「悩んでても仕方ない!町いって何か買うぞ何か!!」
そういうとピカチュウを肩に乗せ、帽子を被り
走り出そうとした時、

マ「だめーーー!!」
突然現れ大声を出したマサトにサトシがすってんころりん。
サ「マ、マサト・・。まだいたのかよ・・;」
そういうとマサトは、

マ「サトシ!この小説は物で締めくくるんじゃなくて、
キモチとかお金を掛けない締めくくりがいいんだよ!(謎」

サ「・・・?;」

マ「それに!たかがお姉ちゃんの為に旅のお金を
使ってどうするんだよ!」

サ「たかが・・って・・;」
マ「とにかくお金は一円も使っちゃだめだよ!」

サ「え〜??マジかよぉ・・」
がっくり肩を落とすサトシに、マサトはにやり。
マ「んじゃ。頑張ってねサトシー」

そういった後、マサトは角に隠れてタケシと話した。
タ「よしマサト!作戦成功だなぁ」
マ「サトシは扱いやすいやぁ!」

 
その頃サトシは。

サ「あ、いい事考えた。お金がだめなら
バトルとか見せてやる・・?それか・・
コンテストのアドバイス・・?」

ポケモンの事しか浮かばないサトシであった。

サトシが考えてる途中、ふと思いついた事が
サトシの顔を真っ赤に染めた。

サ「って俺何考えて・・・;」

すると―――

 
マ「さぁとぉしぃ?今変な事考えなかっただろーね」

サ「うわ!!なっ、何言ってんだよ!って言うかもうどっか行けよ!」

マ「フーン・・。なら良いけど」
めがねをキランと光らせて、マサトはまたどこかへ言ってしまった。

サ「あ〜びっくりした;・・・マサトには悪いけど、今の考えしか
思いつかないなぁ」

そう言うとサトシは、ハルカの部屋へ向かった。

コンコン

ハ「?どうぞ・・?」

ガチャ
サ「よーハルカ。大丈夫?」

ハ「サトシ!」
サトシの顔を見た途端、ハルカの顔がぱぁっと明るくなった。

サ「さっきは助けてくれて有難うな・・。俺の不注意でゴメン」
なるべく明るい顔で話しかけた。
ハ「ううん。気にしないでよ」

 
サ「そっか、あ。今回はお前にプレゼントがあって来たんだよ」

ハ「へ?」
でもなにも持ってないぞ?とでも言いたげな顔つきで
ハルカはサトシを見た。
その時、

ハ「・・!?」
サ「はい。俺からのプレゼント」
突然自分の頬に何かが触れた。
満足げなサトシの顔をハルカは呆然と見ていた。

ハ「・・ありがとう」

 
次の日、ハルカは町からでた。
マ「お姉ちゃん〜!早く〜!」
サ「おいてくぞ〜」

ハ「ごっゴメン!」
走ってみんなの元へ行く途中、ハルカは
頬に手を当てて思った。

ハ「この町に来れてよかったカモ!」

 
この町は、一人の少女の小さな恋が叶う
不思議な町と言う伝説があった―――――


 

大事な人が傷つき、危険な状態にある時、
サトシは本気でハルカのことを心配しています。
彼女のことを大切に思っているサトシが、ハルカのためにしてあげたことは、
ハルカにとっても一番嬉しいことだったんでしょう。
Commentator by 冬草


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