事の始まり

1.事の始まり

サトシ「おいおい何だよこの道は?本当にあってるんだろうな?」
マサト「そんなこと言ったってポケナビ圏外なんだもん」
ハルカ「もしかして・・・また迷ったの?」
タケシ「どうやら迷ったみたいだな」
ピカチュウ「ピカ・・・」
ヒマワキシティへ向かうサトシ達は途中でとある大きな森に迷ってしまったのである。
マサト「も〜お姉ちゃんがあの分かれ道で右に行こうって言うからこんなことになっちゃったじゃないか」
ハルカ「なんですって!マサトがあの分かれ道がポケナビでもわからないって言うからこっちにしたんじゃない!」
サトシ「まあまあ二人とも道に迷うことは初めてじゃないんだしなんとかなるさ」
タケシ「そうそう、それにほら迷ったほうが珍しいポケモンに会えるかもしれないじゃないか」
マサト「それはそうかもしれないけど・・・」
ハルカ「本当に大丈夫なの?」
サトシ「大丈夫だって俺がついてるんだし」
マサト「あんまり頼りにならない気が・・・」
サトシ「がく」
ハルカ(サトシって普段は頼りにならないけどこういう時は結構頼りになるのよね〜)
サトシ「ハルカどうした?」
ハルカ「えっ?その・・・なんでもないわ」
サトシ「そうか」
ハルカ「うん」
ハルカ(び、びっくりした〜)
タケシ「う〜ん、まっすぐ進んでいるならこのあたりに谷があるはずなんだが・・・」
一同『谷?』
タケシ「ああ」
マサト「もしかしてまた鋼の谷?」
サトシ「まさか、鋼の谷がそんないくつもあるわけないだろ」
ハルカ「そうよ、多分普通の谷よ」
マサト「だといいんだけど・・・」
それからしばらくサトシ達はその深い森の中を進んでいった
ザッザッザッ・・・
ガサガサ
サトシ「ふい〜・・・あっ谷だ!」
ピカチュウ「ピッカー」
タケシ「ほんとだ」
ハルカ「ほ〜らみなさいマサトやっぱりあの分かれ道は右でよかったじゃない」
マサト「はは、そうみたいだね」
森を抜けたサトシ達の前には雄大な谷が広がっていた

 
2.町の手前

森を抜けたサトシ達は大きな谷へたどり着いた。
タケシ「この谷を抜ければ町に行けるはずだ」
ハルカ「早く町に行って買物したいかも〜」
サトシ「よし、じゃあ行こうぜ」
ザッザッザッ・・・
ハルカ「結構深い谷ね・・・」
マサト「うん、谷の下が見えないよ・・・」
?「リルルル」
サトシ「なんだ?この声は?」
タケシ「コイルの鳴き声のようだが」
ハルカ「コ、コイル?」
マサト「あっ、あそこにいるよ」
ハルカ「あっこっち見た!この前みたいに襲ってくるかも」
しかしコイルはサトシ達を見ても別に襲ってくる気配はなかった。
マサト「行っちゃったね」
タケシ「どうやらこの谷に住んでるポケモンはなわばり意識はそんなにないみたいだな」
サトシ「それじゃあこの前みたいにいきなり攻撃してくることはないんだな?」
タケシ「ああ、絶対とは言い切れないが多分大丈夫だろう」
ハルカ「よかった〜これで安心して町に行けるわね」
三十分後・・・
ハルカ「あ〜疲れたかも〜」
マサト「僕も〜いくらポケモン達が襲ってこないって言っても登りと下りの繰り返しは疲れるよ」
タケシ「それじゃあここらで休憩にするか」
サトシ「そうだな、ちょっと一休みするか」
ハルカ・マサト『賛成〜』
休憩中・・・
ハルカ「ねえタケシ、あとどれくらいで町なの?」
タケシ「う〜ん、半分くらいは来てると思うから・・・あと半分ぐらいかな」
ハルカ「え〜半分しか来てないの〜」
サトシ「半分まで来たんなら夕方前には町に着けるな」
マサト「お姉ちゃんあと半分なんだから頑張りなよ」
ハルカ「わ、わかってるわよ」
タケシ「それじゃあそろそろ出発するか」
一同『は〜い』
ザッザッザッ・・・
マサト「なんだか登りが長いね・・・」
ハルカ「そ、そうね・・・」
サトシ「ふ〜やっと登りきった・・・あっみんな早く来いよ!町がみえるぜ!」
ハルカ「ほんと!?」
マサト「よ〜しあとひと頑張りだ!」
サトシ達は全員斜面を登りきった。
ハルカ「ほんと町が見えるわ」
タケシ「あの町はフリカタウンだな」
マサト「後は下りだけだね」
サトシ「よしっ行こうぜ」
一同は斜面を下り始めた。

 
3.エアームドの猛攻!

斜面を降り始めたサトシ達しかしこの後あんなことになろうとは誰も思いつかなかった。
ハルカ「やっぱり下りは楽かも」
マサト「まあ登りよりは全然楽だね」
サトシ「やっとこの谷から出られるな」
タケシ「ああ、そうだな」
ザッザッザッ・・・
そしてハルカはポケモンの巣らしきものを見つける。
ハルカ「あら?何かしらあれ?鳥ポケモンの巣かしら?」
マサト「えっ?どこどこ?」
ピカチュウ「ピカピカ?」
ハルカ「ほら、あそこの崖の所」
サトシ「ほんとだ、何のポケモンの巣だろ?」
タケシ「う〜ん、高山地帯に巣をつくるポケモンといったら・・・」
マサト「エアームドだよ」
タケシ「そうそうエアームドなんかがそうだな」
サトシ「へえ〜エアームドってあんな巣をつくるんだ」
タケシ「おっと、早くここから離れないと」
ハルカ「えっ?どうして?」
タケシ「もし巣の中にタマゴがあったら親のエアームドは俺達を敵だと思って攻撃してくるだろう、こういう時のポケモンはかなり凶暴だ」
マサト「あの〜もう遅い気が・・・」
一同『えっ?』
エアームド「クオオオオオ!!」
ピカチュウ「ピカ!」
サトシ「まずい!見つかった!」
タケシ「みんな逃げるぞ!」
一目散に逃げるサトシ達しかしエアームドはサトシ達に攻撃をしてくる。
エアームド「クオオオオオ!!」
タケシ「まずい!スピードスターだ!」
ドドドドド!!
サトシ「うわあああああ!」
ハルカ「きゃあ!」
マサト「うわあ!」
ピカチュウ「ピカ!」
サトシ「もう少しで町だ!町の近くまで行けば大丈夫のはずだ!」
ハルカ「ちょっときついかも〜」
マサト「そんなこと言ってる場合じゃないよお姉ちゃん」
ハルカ「わかってるわよ!」
サトシ「あれは・・・」
サトシ達の前にはいかにも落ちそうな橋があった。
サトシ「行くしかなさそうだな」
ハルカ「え〜!今にも落ちそうよ」
マサト「そんなこと言ってる場合じゃ・・・」
ハルカ「さっき聞いたわよ」
タケシ「まずい!もう少しで追いつかれるぞ!」
サトシ「よしいくぞ・・・」
ギシッ・・・ギシッ・・・
サトシ達はゆっくり橋を渡っていく。
サトシ「ふう〜」
ピカチュウ「ピカ〜」
マサト「ほっ」
タケシ「はあ〜」
サトシ・ピカチュウ・マサト・タケシは無事に橋を渡りきった。
残るはハルカだけである。
サトシ「ハルカ慎重にな」
ハルカ「う、うん」
エアームド「クオオオオオ!!」
マサト「まずい!エアームドだ!」
サトシ「ハルカ早く!」
ハルカ「うん!」
しかしエアームドの攻撃は橋を支えていたロープを切断した。
ハルカ「きゃあ!」
サトシ「ハルカ!」
マサト「お姉ちゃん!」
サトシ「くっ!」
サトシは落ちていく橋に飛び出しハルカの手首をつかみ、橋を支えていたロープをつかんだ。
サトシ「だ、大丈夫か?」
ハルカ「う、うん・・・ありがと」
サトシとハルカは宙擦り状態である。
タケシ「今ロープをやるからな」
タケシはロープを投げた。
サトシ「よし、ハルカ先に行け」
ハルカ「えっ?でも・・・」
サトシ「いいから」
サトシはハルカの手にロープをつかませた。
タケシ「よし今引き上げるぞ」
マサト「せーの!」
ピカチュウ「ピーカ」
ハルカ「ふ〜助かったわ」
そしてハルカが救助されたその時!
エアームド「クオオオオオ!!」
タケシ「サトシ!危ない!」
サトシ「えっ?」
ドグッ!
サトシ「がはっ」
エアームドの゛はがねのつばさ"がサトシに直撃した。
ズルッ
サトシの手がロープから離れサトシは深い谷へ消えていった・・・
ハルカ「サトシー!!」

 
4.突然の別れ、新たなる旅立ち

サトシはエアームドの゛はがねのつばさ"を受け谷へ飲み込まれていった・・・。
サトシ(・・・痛え・・・

          ・・・落ちる・・・

         ・・・死ぬのか?俺は・・・

         ・・・でもまあいいか・・・ハルカが無事なら・・・)
ハルカ達は落ちていくサトシを見ることしかできなかった。
そしてサトシは消えていった。
ハルカ「サトシー!」
ピカチュウ「ピカピー!」
マサト「お姉ちゃん、ピカチュウあぶない!」
タケシ「早く逃げるんだ!」
ハルカ「でもサトシが・・・」
タケシ「俺達だけじゃサトシを助けられない!だから早く町に行って助けを呼ぶしかない!」
ハルカ「うん・・・わかった・・・」
ハルカ(待っててサトシ・・・今、助けを呼んで来るから!)
ハルカ達は急いで町へと走った。
〜フリカタウン〜
ジュンサさん「なんですって!?崖から人が落ちた?」
ハルカ「そうなんです!早く助けに行かないと・・・」
タケシ「俺達の仲間なんです!」
ピカチュウ「ピカピカ!」
ジュンサさん「わかったわ、今、人を集めるわ」
そしてハルカ達とジュンサさんとレスキュー隊の数人がサトシの落ちた崖へと急いだ。
ジュンサさん「こ、これは・・・橋が・・・」
マサト「僕達エアームドに襲われて・・・」
タケシ「橋を渡っていたら攻撃してきて・・・」
ハルカ「サトシは私を助けようとして崖から・・・」
ピカチュウ「ピカ〜・・・」
レスキュー隊員A「とにかく崖の下へ降りてみましょう」
〜崖の下〜
ハルカ「サトシー!」
タケシ「どこだー!」
ピカチュウ「ピカピー!」
マサト「川に落ちちゃったんじゃ・・・」
ジュンサさん「かなり流れの速い川ね」
ハルカ「えっ・・・それじゃあ・・・」
タケシ「だがこの場合、川に落ちたと考えるべきですよね」
ジュンサさん「そうね、もし川に落ちなかったらこのあたりに倒れているはずよね」
レスキュー隊員B「あの・・・この帽子は彼のものでは・・・」
隊員の一人がハルカ達に帽子を見せる。
ハルカ「これ・・・サトシのよね・・・」
ピカチュウ「ピカピカ」
タケシ「ああ」
マサト「間違いないよ」
レスキュー隊員B「どうやら川に落ちて流されたようですね」
ジュンサさん「じゃあ下流を捜索すれば・・・」
レスキュー隊員B「見つかるかもしれません」
ハルカ達とジュンサさん、レスキュー隊は下流へと下っていったがサトシの姿はなかった。
ジュンサさん「もう遅いからハルカちゃん達はポケモンセンターに戻りなさいまた明日捜索してみるから」
ハルカ達『はい・・・』
しかし3日たってもサトシを発見することはできなかった。
タケシ「じゃ俺とマサトは買物してくるけどハルカはどうする?」
ハルカ「私はいい・・・」
タケシ「そうか・・・じゃ行ってくる」
マサト「行ってきます・・・」
ハルカ「行ってらっしゃい・・・」
サトシがいなくなってからハルカ達はあまり話さなくなっていた。
ハルカ「サトシ・・・無事だよね・・・」
ハルカはサトシの帽子をとってそうつぶやいた。
そして自然に涙がでた。
ハルカ「うっうっサトシ・・・私のせいで・・・」
ハルカ(なんで会ってしまったんだろう・・・こんなことになるなら会わなければ良かったのに・・・)
ハルカ「でも・・・会いたい・・・サトシに会いたいよ・・・」
ハルカ(あっ)
ハルカは気づいてしまった。
ハルカ(私・・・サトシのこと好きだったんだ・・・いつもそばにいてくれたから気づかなかったけど・・・いつのまにかこんなに好きだったんだ・・・)
そう思うとよけいに涙が止まらなかった。
ハルカ(でもきっとサトシは無事よ・・・私がサトシを信じないでどうするの・・・生きてるに決まってるわ!)
そう考えるとハルカはなんだか楽になった気がした。
マサト・タケシ『ただいまー』
ハルカ「おかえりー」
マサト(あれっ?お姉ちゃんなんか元気そう)
マサト「どうかしたの?お姉ちゃん?」
ハルカ「ねえ二人とも旅を続けましょ」
マサト「えっ?でも・・・」
タケシ「いいのか?」
ピカチュウ「ピカ?」
ハルカ「うん・・・もしサトシが生きてるなら旅をしてればまた旅先で会えるかもしれないでしょ?」
マサト「お姉ちゃん・・・」
タケシ「ハルカ・・・」
ピカチュウ「ピカ・・・」
ハルカ「だからっね?」
マサト「うんそうだね!旅をしてればまた会えるよね!」
タケシ「そうだなサトシのことだもんな」
ピカチュウ「ピッカー!」
ハルカ「うん!」
そして次の日ハルカたちはまた旅に出たのであった。

 
5.生きていたサトシ、憎しみの始まり

ハルカ達がフリカタウンを出発した同じ頃・・・
とある名もない島に人間の男の子が流れ着いていた。
ザザーン・・・ザザーン・・・
ナゾノクサ「ナゾ?」
ピカチュウ「チュ?」
ナゾノクサとピカチュウの前にその男の子は倒れていた。
〜ポケモンセンター〜
ピカチュウ「ピカ〜ピカピカ」
ナゾノクサ「ナゾナゾ」
ジョーイさん「どうしたの?二匹とも?」
ピカチュウ「ピ〜カ」
ジョーイさん「ついてこいって?」
二匹はジョーイさんを倒れている男の子のところへ連れて行った。
ジョーイさん「まあ大変!すぐ治療しなきゃ!」
ジョーイさんはその男の子をポケモンセンターに連れて行きすぐに治療を始めた。それからしばらくして・・・
男の子「う・・・」
ジョーイさん「気がついた?」
男の子「ここは・・・?」
ジョーイさん「ポケモンセンターだけど安心してあなたの怪我は治療しておいたから、ところであなたの名前は?」
男の子(名前・・・?)
男の子「あれっ?名前・・・思い出せない・・・なんで俺は怪我をしたんだ?」
ジョーイさん「えっ?もしかしてあなた記憶が・・・」
男の子「どうやら・・・そうみたいです・・・」
ジョーイさん「自分の持ち物に名前は書いてないの?そこのリュックはあなたが持っていたものよ」
男の子「えーと・・・こ、これは・・・ポケモン図鑑?」
ポチッ
ポケモン図鑑「マサラタウンのサトシ、現在ホウエンリーグ出場のためバッジを集めている途中」
サトシ「サトシ・・・俺の名前はサトシ・・・」
ジョーイさん「名前がわかってよかったわ、あなたのポケモン達も心配してたのよ」
サトシ「俺のポケモン?」
ヘイガニ「へ〜イ」
コータス「コ〜〜〜」
スバメ「スバ〜」
ジュプトル「ジュ・・・」
サトシ(俺のポケモン・・・)
サトシ「みんなごめん・・・みんなのこと思い出したいけど何もわからないんだ・・・」
ジョーイさん「サトシくん・・・でもゆっくり思い出せばいいわ、怪我が治るまでおとなしくしててね、あとこの子達にお礼を言っといてね、サトシくんを見つけたのこの子達なんだから」
ピカチュウ「チュ」
ナゾノクサ「ナゾ」
サトシ「君達が俺を見つけてくれたのか・・・ありがとう・・・」
ピカチュウ「ピッカー」
ナゾノクサ「ナゾー」
サトシ(あれっ、この二匹・・・)
サトシはナゾノクサの左足、ピカチュウのしっぽの半分がないことに気がついた。
サトシは起き上がりジョーイさんに尋ねた。
サトシ「なんかここのポケモン達はひどい怪我をしているのが多いですね」
ジョーイさん「サトシくん・・・ここは普通のポケモンセンターじゃないの・・・」
サトシ「えっ?」
ジョーイさん「ここは人間に虐待されたり生体実験されたポケモンを収容している所なの・・・ここは・・・地獄よ・・・」
サトシ(地獄・・・?ここが・・・?)
サトシはまだその意味はわからなかった・・・

 
6.楽しさが絶望に変わる時

サトシが流れ着いてから一週間が経っていた。
サトシの怪我もだいぶよくなっていたがあばら骨にひびが入っているというのでもう一週間は安静にしろとジョーイさん言われている。
その間サトシはここのポケモン達の世話をしていた、ポケモン達もサトシと仲良くなっていった。
まだ記憶は全然戻らないがサトシはあまり気にしなかった。
サトシ「みんなーご飯だぞー」
そう言うとポケモン達は返事をしサトシの所へ集まってくる。
サトシ「おいおい、あわてるな今やるから」
パクパク
クラブ「コキコク」
ナゾノクサ「ナゾッ!」
サトシ「こら、ケンカすんな、ちゃんとみんなの分あるから」
ピカチュウ「チュ」
サトシ「うまいか?ピカチュウ?」
ピカチュウ「チュチュ」
サトシ「それはよかった」
サトシ(ピカチュウか・・・俺もピカチュウを持ってた気がするけど・・・まっいっか)
ジョーイさん「ごめんなさいね、いつも手伝わせちゃって」
サトシ「いえ、俺こんなことしかできないんで」
ジョーイさん「サトシくん・・・あまりここのポケモン達と仲良くしないほうがいいわ・・・」
サトシ「えっ?どういうことです?」
ジョーイさん「あとでつらい思いするから・・・」
サトシ「はあ・・・」
そういうとジョーイさんは部屋へ入っていった。
サトシ(ジョーイさんの話ってよくわかんないんだよなー)
ピカチュウ「チュ」
グイグイとサトシの服を引っ張る。
サトシ「な、なんだピカチュウ?」
ピカチュウ「チュ〜チュ」
とピカチュウは外を指差す
サトシ「外に行きたいのか?」
ピカチュウ「チュ!」
サトシ「よし、みんなも行こうぜ」
ヘイガニ「へ〜イ」
コータス「コ〜〜〜」
スバメ「スバ〜」
ジュプトル「ジュ・・・」
〜ポケモンセンターの近くの森〜
ピカチュウ「チュ〜」
サトシ「気持ちいいな〜みんなゆっくりしていいぞ」
ヘイガニ「へイへ〜イ」
コータス「コ〜〜〜」
スバメ「スバスバ〜」
ジュプトル「ジュ・・・」
サトシのポケモン達は気持ちよさそうである、ここに来る前はバトルばかりなのでこんなにゆっくりできるのは初めてかもしれない。
ピカチュウ「チュ」
サトシ「んっ?」
ピカチュウは木になっている木の実を指差す
ピカチュウ「チュ〜チュ」
サトシ「あれはモモンの実・・・食べたいのか?」
ピカチュウ「チュ」
サトシ「お〜いジュプトル、タネマシンガンであの木の実とってくれ」
ジュプトル「ジュ・・・」
ポッ
パシッ
サトシ「さんきゅ〜、ほら」
ピカチュウ「チュ〜」
サトシ達はしばらく森でゆっくりしていた。
サトシ「あっもうこんな時間だ、みんな〜そろそろ戻るぞ〜」
ヘイガニ「へ〜イ」
コータス「コ〜〜〜」
スバメ「スバ〜」
ジュプトル「ジュ・・・」
ピカチュウ「チュ〜チュ〜」
サトシ「まだ遊びたいのか?でも今日は終り、明日またモモンの実とかとりに来ような」
ピカチュウ「チュ〜・・・」
〜次の日のお昼〜
サトシ「おーいみんなーあとで森に行こうなー」
ナゾノクサ「ナゾ・・・」
サトシ(あれっ?ピカチュウがいない・・・いつもならここにいるはずだけど・・・)
サトシ「ナゾノクサ、ピカチュウは?」
ナゾノクサ「ナゾ・・・」
ナゾノクサは葉っぱでサトシの後ろを指した。
サトシ「どうしたんだ?後ろ?」
サトシは後ろを向いた。
サトシ(集中治療室・・・)
サトシ「ピカチュウ具合が悪くなったのか?」

 
7.絶望と憎しみのサトシ

サトシ「ピカチュウ具合が悪くなったのか?」
ナゾノクサ「ナゾ・・・」
サトシ「そ、そんな・・・ジョーイさん!ピカチュウはどうしたんですか!?ジョーイさん!」
ドンドンと集中治療室叩く。
ジョーイさん「サトシくん、ポケモン達が驚いています、やめなさい」
サトシ「ジョーイさん、ピカチュウは!?」
ジョーイさん「・・・ピカチュウは・・・今朝・・・亡くなったの・・・」
サトシ「えっ?」
ジョーイさん「もともと生体実験で免疫力がなくなっていたから・・・夜に・・・発作がおきて・・・そのまま・・・」
サトシ「そ、そんな・・・ジョ、ジョーイさん・・・俺にはそんな・・・冗談は通じませんよ・・・ピカチュウは今日森でモモンの実をとろうって・・・」
ジョーイさん「モモンの実ならピカチュウのお墓に置いてあげて・・・そうすればピカチュウもきっと喜ぶから・・・」
サトシはその場でうなだれた。
そしてピカチュウのお墓に行った。
サトシ「ピカチュウお前の好きなモモンの実とってきたから・・・」
モモンの実をお墓そえる、そしてサトシの目から涙が出てきた。
サトシ「くっ、ぐっ・・・俺は何も・・・できなかった」
サトシの頭の中にはジョーイさんの言葉がうかんだ、ここは地獄だと・・・
〜一週間後〜
ピカチュウが死んでからサトシはあまり喋らなくなっていた。
ジョーイさん「サトシくん・・・」
サトシ「ジョーイさん・・・一週間ですよ、ピカチュウが死んでから一週間しかたってないのに・・・もう二十匹もいなくなった・・・ナゾノクサもクラブもみんな・・・俺は何もできなかった・・・ジョーイさんあなたの言う通りここは地獄です・・・」
ジョーイさん「サトシくん、怪我はもうそろそろ治るころだから記憶を取り戻すために旅に出たらどうかしら、あなたはここの環境には耐えられないわ・・・」
サトシ「そうですね・・・」
〜次の日〜
サトシ「ジョーイさん、俺は人間がポケモンにこんなひどいことをしているなんて知りませんでした・・・」
ジョーイさん「でもここのポケモン達はみんなあなたに感謝してると思うわ」
サトシ「はい・・・俺、もっと強くなります・・・強くなってここに送られてくるポケモンを減らすようにがんばります・・・」
ジョーイさん「期待してるわ」
サトシ「それじゃあ今までお世話になりました・・・」
ジョーイさん「気を付けて」
こうしてサトシは旅立って行った。
だがサトシはもう前のサトシではなくなったいた・・・

 
8.再会・・・

サトシが行方不明になってから三週間が経っていた。
ハルカ達は旅を続けていた、またサトシに会えることを信じて。
〜ポケモンコンテスト会場〜
司会「今回の優勝者はハルカさんで〜す」
マサト「やったねお姉ちゃん!」
ハルカ「ありがとうマサト」
タケシ「これで三つ目のリボンゲットだな」
ピカチュウ「ピッカー」
ハルカ「あと二つで五つそろうかも!グランドフェスティバル出場かも!」
ハルカは三つ目のリボンをゲットしていた。
ハルカ「リボンゲットかも!やったかも!ハルカちゃんすごいかも〜!」
マサト「あいかわらずリボンゲットした後はすごいねお姉ちゃん・・・」
タケシ「まあ、何にしても元気になってよかったよ」
マサト「まあ、そうだね」
ピカチュウ「ピカ」
マサト「最初は元気なかったからね」
ハルカ「マサト次の町に行くにはどの道を行けばいいの?」
マサト「え?え〜とこの道をまっすぐだね」
ハルカ「じゃ早く行きましょ」
タケシ「あ、ああ」
ピカチュウ「ピッカ」
ザッザッザッ
ハルカ「ふぅ〜結構暑いかも〜」
マサト「そうだね〜しかも岩ばっかりだし」
ピカチュウ「ピカ〜」
タケシ「そうだな、じゃあ日陰があったらそこで一回休憩するか」
ハルカ・マサト『さんせ〜い』
ザッザッザッ
ハルカ「あっ日陰発見かも!」
マサト「ほんとだ!」
日陰を見つけるやいなや突然走り出す一同。
ハルカ「あ〜涼しいかも〜」
マサト「ほんとだね〜」
タケシ「ふぅ〜助かった」
ピカチュウ「ピカピカ」
と、一同が一息ついた瞬間!
ガチャン!ガチャン!ガチャン!
マサト「うわあ!」
ハルカ「何これ!?」
ハルカ達は金属でできたひものようなもので縛られてしまった。
タケシ「一体何なんだ!?」
ロケット団「わーはっはっは!」
マサト「あれは」
一同『ロケット団!』
ムサシ「何だかんだと言われたら」
       ・
       ・
       ・
      (略)
       ・
       ・
       ・
コジロウ「わっはっは、この暑い中必ず日陰に来ると予想して罠を仕掛けといたのだ!」
ニャ―ス「ニャーの罠は完璧なのニャ」
ムサシ「それではピカチュウゲットでちゅう」
ハルカ「ピカチュウ!」
タケシ「くっ」
マサト「ぐぐっ」
コジロウ「無駄無駄、お前達ではそれをはずすことはできないのだ」
ムサシ「それではもう用はないし」
ロケット団『帰る!』
気球に乗ってさっさと帰るロケット団。
ハルカ「ピカチュウー!」
?「コータス、かえんほうしゃ・・・」
コータス「コオオオ!」
ゴオオオオオ!
ロケット団『え?』
ドカアアアアン!
?「オオスバメ・・・」
オオスバメ「スバアアー!」
オオスバメがピカチュウを救い出しハルカ達のところへ連れて行く。
ハルカ「オオスバメ?」
コジロウ「あっお前は!」
ムサシ「こうなったら、行くよ!コジロウ!」
コジロウ「おう!サボネア!」
ムサシ「ハブネーク!」
?「シザリガー・・・」
シザリガー「シザアア!」
コジロウ「ミサイルばりだ!」
サボネア「サボ!」
ドドドドド!
キンキンキン!
コジロウ「何っ!?」
ムサシ「ポイズンテール!」
ハブネーク「シャアア!」
ガシン!
シザリガーはポイズンテールを受け止めブンブンと降り回しロケット団のところへ吹っ飛ばした。
ロケット団『うわあ!』
?「はかいこうせん・・・」
カッ!ドカアアアアン!
ロケット団『やなかんじー!』
?「よくやった、もどれ」
コータス「コー」
オオスバメ「スバ」
シザリガー「シザ」
タケシ「一体誰が?」
ザシャッザシャッザシャッ
マサト「誰か来る・・・」
ドクンドクン
ハルカ(何?胸が急に・・・煙の中に誰かいる)
サアアア・・・
煙が晴れていく。
ハルカ(あれは・・・まさか・・・)
ザシャッ
ハルカ「サ・・・ト・・・シ?」

 
9.サトシとハルカ達

ハルカ達の前に現れた白髪の少年、それはまぎれもなくサトシであった。
しかしその場にいるものは誰も動けなかった。
あまりの衝撃に・・・いやそれだけではない、今、そこにいるのは本当にあのサトシなのだろうかと。
それだけサトシはハルカ達にとって重要な人物だったのである。
サトシ「シザリガー縄を切ってやれ」
シザリガー「シザッ!」
ジョキン!ジョキン!
ピカチュウ「ピカピ!」
ピカチュウがサトシに飛びつく。
サトシ「なんだお前は?」
ピカチュウ「ピカッ?」
ハルカ「サトシ・・・あなたはサトシなんでしょ?」
サトシ「なんで・・・俺の名前を知っている?」
ハルカ「えっ?私よ!ハルカよ!」
サトシ「ハ・・・ル・・・カ?悪いが俺は記憶喪失で何も覚えてないんだ・・・」
タケシ「記憶喪失だって?」
マサト「じゃあそのピカチュウのことも?そのピカチュウはサトシのポケモンだよ」
サトシ「このピカチュウが?・・・覚えてない・・・」
ピカチュウ「ピカ〜・・・」
サトシ「何で俺のこと知っているんだ?君達は何なんだ?」
タケシ「俺達はいっしょに旅をしていたんだ」
サトシ「旅を・・・?わからない・・・何にも覚えてない・・・」
ハルカ「サトシ、また私たちと旅をしましょ、そうすればきっと記憶だってもとに戻るわ」
サトシ「だけど・・・」
タケシ「ハルカの言う通りだ、それにそのピカチュウはお前のポケモンなんだし」
ハルカ「あっそうだ、これ・・・サトシの帽子よ」
サトシ「俺の・・・?」
マサト「サトシがいっつもかぶってたものだよ」
サトシ「そうなのか・・・」
そしてサトシは帽子をかぶる。
ハルカ「あの・・・サトシ、その髪はどうしたの?」
サトシ「これはもとからだ」
マサト「サトシは黒髪だったよ?」
サトシ「そうなのか?気づいた時からこうなってた・・・」
ハルカ「そうだ!話すわ・・・サトシのこと・・・」
タケシ「そうだな聞けば何か思い出すかもしれないし、だけどここじゃなんだからポケモンセンターに行ってから話すことにしよう」
マサト「そうだね」
ピカチュウ「ピカ」
サトシと再会したハルカ達はポケモンセンターに向かって歩き出した。

 
10.記憶のひとかけら

ポケモンセンターに着いた一同。
ハルカ達はサトシが崖から落ちたあの日のことをサトシに話した。
エアームドに襲われたこと、橋を渡っている時落ちそうになったハルカを助けたこと、サトシが崖から落ちた後必死にサトシを探したこと、そしてサトシに会えることを信じて旅に出たことそれらをすべてサトシに話した。
サトシ「そうだったのか・・・」
ハルカ「どう?何か思い出せない?」
サトシ「ごめん・・・」
ハルカ「そう・・・」
タケシ「まあ、そんなにすぐには思い出せないだろう」
マサト「ねえ、何か覚えてることはないの?」
サトシ「覚えてることは・・・あるぜ・・・ほんの少しだけど」
ハルカ「ほんと?教えて」
サトシ「エアームドと水の流れ・・・それと君だ・・・」
サトシはハルカを見る。
ハルカ「わ、私?」
ハルカはキョトンとする。
サトシ「何でかわからないけどよく思い出す・・・いつも悲しい顔をしていた・・・なんで泣いているのかもわからない、誰のために泣いているかもわからない・・・俺が覚えているのはそれだけだ・・・」
・・・沈黙する一同。
タケシ「エアームドは俺達を襲ってきた奴だな、水の流れはサトシが落ちた川だろう、ハルカは・・・なんでだろう?」
マサト「ほーんと、なんでだろうねーお姉ちゃん」
と、マサトはハルカを見る。
ハルカ「な、なによマサト」
ハルカの顔が赤くなる。
マサト「別にー」
タケシ「うーん、記憶を取り戻す手がかりはなさそうだな」
マサト「お姉ちゃんなんじゃない?」
と、またハルカを見る。
ハルカ「マサト〜」
ハルカがマサトをにらむ。
マサト「じょ、冗談だよお姉ちゃん」
タケシ「ま、あせってもしかたないしいつも通り生活していればきっと思い出すさ」
ハルカ「そうね、あせってもしかたないし」
マサト「そうだね」
サトシ「・・・ああ」

 
11.サトシの苦しみ、ハルカの心

サトシと再会してから一週間がたった。
今はヒマワキシティをめざして海岸線を旅している。
その間、サトシはほとんど喋らなかった。
ハルカ達はその重苦しい雰囲気の中旅をしていた。
だが、内心ではその雰囲気に耐えられなかった。
タケシ「よーし、今日はここでキャンプだな」
ハルカ・マサト『はーい』
サトシ「・・・」
ハルカ「ポ、ポケモン達も休ませてあげましょ」
タケシ「そうだな」
そして三人はポケモンをモンスターボールから出す。
ハルカ「みんな今日はここでキャンプだからゆっくり休んで」
ポケモン一同返事をする。
タケシ「じゃあ、俺はご飯を作るからハルカとマサトはテントをはってくれ」
ハルカ・マサト『はーい』
タケシ「サトシは薪をたのむ」
サトシ「・・・わかった」
と、言ってサトシは森へ入って行った。
そしてテントを張りながらマサトが言う。
マサト「あ〜僕もうこの重い雰囲気たえられないよ〜」
ハルカ「そうよね〜サトシが生きててうれしいんだけど性格がこんなに暗くなってるなんてね〜」
タケシ「まあ本人も記憶を失ってるから面識のない俺達と旅をするのはまだ慣れてないんじゃないか?」
マサト「それはそうだけど・・・あれはちょっと暗すぎだよ」
ハルカ「そういえばサトシのポケモン達ってみんな進化してるわね」
タケシ「そうだなこの短期間でここまでレベルを上げるとは・・・」
ハルカ「何かあったのかしら?」
マサト「さあ・・・」
ガサガサ
サトシが戻ってきた。
サトシ「これぐらいでいいか?」
タケシ「ああ、十分だ」
サトシ「・・・そうか」
そしてタケシは料理を始めた。
ハルカ・マサト『いっただきま〜す!』
サトシ「いただきます・・・」
タケシ「どんどんおかわりしてくれ」
ハルカ「ほ〜んとタケシの料理って最高かも!」
マサト「ほんとだよね〜」
タケシ「サトシ、うまいか?」
サトシ「・・・うまい」
一同『・・・』
重苦しい空気が流れる・・・。
そしてそのまま食事は終了する。
後片付けをしながらハルカはマサトに言った。
ハルカ「ねえ、サトシに何があったのか聞いてみない?」
マサト「でも、話してくれそうにもないよ、それに何にもないんじゃない?」
ハルカ「でもサトシ、いつも悲しい顔してるのよね何かあっと思うんだけど・・・」
マサト「じゃあ、聞いてみれば?」
ハルカ「えっ?私が?」
マサト「お姉ちゃん以外誰がいるのさ・・・」
ハルカ「わ、わかったわよ」
そして後片付けを終わらせたハルカが言う。
ハルカ「ねえサトシ、川に落ちてからあなたに何があったの?」
サトシ「・・・」
ハルカ「おねがい・・・教えて・・・」
サトシ「助けてもらったんだ・・・」
サトシは話始めた。
ジョーイさんに助けてもらったこと、そこのポケモン達と仲良くなったこと、そこのポケモンセンターは普通ではなかったこと、そしてピカチュウやナゾノクサなどのポケモン達の死、自分は何もできなかったこと、ここを地獄とわかったこと、人間に対する憎しみ・・・それらをサトシは語った。
ハルカ達は静かにそれらを聞いていた。
その中でハルカはわかったのだ、サトシがそこでどれだけ苦しんだか、そして悲しんだか、ハルカには痛いほど伝わってきた。
サトシ「俺の話はこれで終りだ・・・」
ハルカ「サトシが・・・こんなつらい経験をしてたなんて・・・わたし全然知らなかった・・・」
サトシの話にハルカは涙を流した。
マサト「お姉ちゃん・・・」
タケシ「ハルカ・・・」
サトシ「やめろ・・・そんな顔をするな・・・頭が割れそうだ・・・!」
ハルカ「サトシ?」
ドカーン!
タケシ「なんだ!?」
ロケット団『わーはっはっは!』
一同『ロケット団!』

 
12.サトシの強さ!

ロケット団『わーはっはっはっは!』
一同『ロケット団!』
ハルカ「何しに来たのよ!」
コジロウ「決まってるだろう、ピカチュウをゲットしに来たのだ」
サトシ「ピカチュウをだと、あいつらは前の・・・」
マサト「あいつらは悪い奴だよ」
ハルカ「毎回、ピカチュウやいろんなポケモンをむりやりゲットしようとするのよ」
サトシ「なんだって!」
サトシの頭にあのポケモンセンターの出来事が浮かんできた。
サトシ「そんなこと・・・させるか!」
ハルカ(サトシ・・・)
ムサシ「いくのよ!ハブネーク!」
コジロウ「サボネア、お前もだ!」
ハブネーク「シャー!」
サボネア「サボッ!」
サトシ「いけっ!ジュカイン!」
ジュカイン「ジュー!」
ピカチュウ「ピカ!?」
マサト「ジュカイン!?」
タケシ「ジュプトルの進化形か!?」
ハルカ「あの強いジュプトルがさらに進化したの?」
ムサシ「ハブネーク!ポイズンテール!」
ハブネーク「シャー!」
ガシッ!
ハブネーク「シャ?」
マサト「ポ、ポイズンテールをつかんだ!?」
サトシ「投げ飛ばせ!」
ブンッ!
ハブネーク「シャー!?」
ズザザザザザー!
コジロウ「サボネア!ミサイルばりだ!」
サボネア「サボッ」
ドドドドド!
サトシ「リーフブレード!」
ジュカイン「ジュッ!」
キンキンキン!
コジロウ「なっ」
ズカッ!
サボネア「サボー!」
タケシ「強い・・・ここまで育ててるとは・・・」
マサト「以前のサトシとは比べ物にならないよ」
ハルカ「サトシ・・・すごい」
ピカチュウ「ピカ〜」
ムサシ「くっ」
サトシ「まだまだこれからだ!俺の前でポケモンを傷つけさせてたまるか!」
ハルカ(そっか・・・サトシはあんな経験したんだもんね、だからあんなに強く・・・)
コジロウ「なんかめちゃくちゃ強くないか?」
ニャ―ス「まさかジャリボーイがこんニャに強いとは・・・」
ハルカ「あんた達は今のサトシには勝てないわよ!」
ムサシ「なんですって〜!ドクゲイルちゃん!ジャリガールにどくばりよ!」
ドクゲイル「ドク〜」
ハルカ「えっ?」
サトシ「何っ!?」
ドドドドド!
ハルカ「きゃあああ!」
マサト「お姉ちゃん!」
ハルカ(あれっ?・・・痛くない・・・)
ハルカは目を開けるとハルカの代わりにサトシがどくばりを受けていた。
ハルカ「サトシ・・・私をかばって・・・」
サトシ「がはっ」
サトシは血を吐いた。
ハルカ「サトシ!」
ジュカイン「ジュッ!」
タケシ「サトシ!」
マサト「サトシ!」
ピカチュウ「ピカピ!」
サトシ「ジュカイン・・・はかいこうせん・・・」
ジュカイン「ジュッカー!!」
ズッ!ドオオオオン!
ロケット団『やな感じー!』
どこかへ吹っ飛ぶロケット団、それを見てサトシはドサッと倒れる。
ハルカ「サトシ!どうして・・・?」
サトシ「知らない・・・体がかってに動いたんだ・・・」
マサト「サトシを病院に連れて行かないと!」
タケシ「そうだな」
ハルカ「そうね、はやくしないと!」
一同は病院へと急いだ。

 
13.最終話、サトシが記憶をとりもどす時

ハルカをかばいどくばりを受けたサトシ。 ハルカ達はサトシを急いで病院に連れて行った。

〜病院〜

ハルカ「先生、サトシは大丈夫なんですか?」
医者「ええ、解毒もしたし今は安静にしておくのがいいですね、ただ、いつ目を覚ますかは本人しだいですね」
タケシ「そうですか・・・」
マサト「あんなにどくばりを受けたんだし無理もないよ」
医者「それでは私は他の患者がいるので」
医者はその場を離れた。
マサト「これからどうする?」
タケシ「そうだな、俺はピカチュウとかサトシのポケモン達をポケモンセンターに連れて行くけど」
マサト「あっ僕も行くよ、お姉ちゃんは?」
ハルカ「私はもう少しここにいるわ」
タケシ「じゃあ、ポケモンセンターに集合ってことでいいか?」
ハルカ「うん」
タケシ「じゃあ、あとでな」
マサト「じゃあね」
ピカチュウ「ピカピカ」
タケシ達はポケモンセンターに向かった。
ハルカはサトシの病室に入り、イスに座る。
ハルカ「サトシ・・・ごめんね・・・私のせいで・・・」
ハルカは自分を責めていた、自分のせいでサトシがこんな目にあったと考えるととてもつらかった。
サトシ「くっ・・・うう・・・」
ハルカ「サトシ・・・?うなされてる・・・?」

〜サトシの夢の中〜

サトシ「ここは・・・どこだ?」
ピカチュウ「ピカ」
ナゾノクサ「ナゾ」
サトシ「ピカチュウ、ナゾノクサどうしてここに?」
ピカチュウ「ピ〜カ〜」
ナゾノクサ「ナ〜ゾ〜」
ドロッ、ズズズズ
二匹はくずれていった。
サトシ「うわあ!」
ポケモン達『シャ〜』
サトシ「お、お前ら・・・」
ズズズズ
さっきの二匹と同じく、くずれていった。
サトシ「やめろ・・・やめてくれ〜!」

〜病室〜

ハルカ「サトシ・・・こわい夢でも見てるの?」
サトシはすごいふるえていた。
ハルカ(サトシの手・・・すごいふるえてる・・・握ってあげてもいいよね・・・)
ハルカ「サトシ・・・がんばって・・・」
ハルカはサトシの手を握ってあげた、するとサトシのふるえが止まった。

〜サトシの夢の中〜

サトシ「やめてくれ・・・」
その時サトシは誰かに手を握られた。
サトシ「この手は?・・・だけど・・・あったかい・・・誰なんだ?・・・俺はこの人を知っている・・・」
サトシに声が聞こえた。
ハルカ「サトシ・・・がんばって・・・」
サトシ「・・・ハルカ?・・・あ・・・思い出した・・・」

〜病室〜

サトシ「ハルカ・・・」
ハルカ「えっ?」
ハルカは驚いた、サトシが起きた事もそうだが名前を呼ばれたことに驚いた。
ハルカ「サトシ・・・」
サトシ「ごめん・・・心配かけて・・・」
ハルカ「サ、サトシもしかして記憶が・・・」
サトシ「ああ、ハルカのこともみんなのことも思い出した」
ハルカ「サトシ!」
ハルカはサトシに泣きながら抱きつく。
ハルカ「よかった・・・本当によかった」
サトシ「・・・ごめん」

〜一週間後〜

サトシの怪我が治り一同はまた旅立つのであった。
サトシ「よしっ!早くヒマワキシティに行ってジム戦するぜ!」
ハルカ「・・・」
マサト「・・・」
タケシ「・・・」
ピカチュウ「・・・」
サトシ「ど、どうしたんだよみんな」
タケシ「い、いや記憶喪失のサトシはほとんど喋らなかったからなんと言うか・・・」
マサト「違和感あるよね」
サトシ「なんだそれ」
ハルカ「でも、やっぱり今のサトシのほうがサトシらしいかも」
サトシ「そうか?」
ハルカ「うん」
マサト「何も喋らないよりいいよね」
サトシ「まあ、とにかくヒマワキシティに出発!」
ハルカ「うん!」
マサト「うん!」
タケシ「おう!」
ピカチュウ「ピカ!」
サトシ達の旅はまだまだ続く・・・


 

え〜と、とりあえず完結しました!
いや〜こんなに長くなるとは思いませんでした。
最初はサトハルシーンをたくさん作ろうと思っていたんですが
なんだか全然つくれませんでした。
それにマンガのセリフをいっぱい使ってしまったような気が・・・
また小説を書くつもりですのでよろしくお願いします。(期待はしないでください)
by ヒデト

 
頂きました、長編小説です!
不幸にして離れ離れになってしまったサトシとハルカたち。
サトシは行き着いた先での経験からますます強く、そして記憶を失った中でも忘れなかったハルカのこと。
その彼女の想いが無事サトシの記憶を取り戻します。
ハルカの優しさ、そしてサトシの強さがよく出ています。
Commentator by 冬草


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