オカリナ

サトシ達一行は旅の途中、楽器で有名な町、ハープタウンに来ていた。町にはたくさんのがきが並び、小さくかわいいもの、大きく雄雄しいもの、さまざまだ。そんな楽器の中で、ハルカガ目を輝かせる楽器、それは・・
ハ「わぁ〜、このオカリナ素敵かも〜。」
マ「お姉ちゃん楽器ふけないでしょ。」
ハルカは唄はうまいが、楽器はひけないというマサトの言葉にハルカはぎくりとする。
ハ「サトシはなんか楽器弾ける?」
マ「無理無理。サトシにひけるわけが・・。」
冗談で言ったつもりだったが・・。
サ「失礼な!俺だって少しはできるさ。」
タ「あぁ、サトシの演奏を聞いたことがあるぞ。」
マ・ハ「えぇ〜うそ〜。」
サ「ほんとだって、オカリナふけるぜ。」
と、自慢げに言いながらオカリナを吹き始めるサトシ。
しっかりと演奏している。
この事実に流石に2人は驚いていた。

その夜

ハ「ホント、サトシがオカリナなんて以外かも。」
マ「ほんとだよね〜。僕はてっきりポケモン一筋だと・・。」
サ「あのなぁ、悪いのかよ。」
と苦笑しながらマサトの頭をワシワシとなでた。

そして夜もふけってきたころ・・。

ハ「アゲハント!銀色の風!!」
アゲ「フゥ〜ン」
ハルカは、コンテストが近いため、コンテストの練習をしていた。
あたりに美しい風が散る。
サ「コンテストの練習か?」
いつの間にかいたサトシに驚くハルカであったが、サトシに聞き返す。
ハ「うん。サトシは?」
サ「風にあたりにな。」
サトシの肩にはピカチュウもいて、「ピカっ!!」とあいさつをした。
ハ「そういえば、サトシはいつからオカリナを始めたの?」
サ「ああ、実はな・・・。」

サ「パパが、おいていったらしいんだ。」
ハ「サトシのパパが?」
サトシは自分の父親のことを話した、顔も知らないこと、今、どこにいるか分からないこと。自分が生まれてまもなくいなくなったこと、そしてそのとき「お前は、このオカリナのように小さくても綺麗な音を出せ、」と言う伝言をもらったこと。
サ「そうだ!!このオカリナ、やるよ」
ハ「え、?でも・・。」
サ「いいからさ。」
ハ「うん、アリガトウ。」
ハルカは早速オカリナを吹く、ぎこちなかったがそれはどこか、懐かしく昔の自分を思い出させるしらべ・・。

オカリナに合わせて、アゲハントが飛び立った。まるで彼女の演奏を促すように。

 
美しくすみ渡ったオカリナの音色は、空に響き、心に響く、その音色は、いつまでも彼らの出発を祝福し、彼らの夢を祝福する。
真実の友情はより強き絆に、幼き心は気高き大使に、そして、幼き恋は、深き自愛に、成長を見守るオカリナの音は、二人を見守り続けるだろう・・。


 

”オカリナ”をテーマに、二人の様子が描かれています。
それが奏でる音が二人を綺麗に包み込む様子が幻想的です。
こういう小説もいいものですね。
サトシが演奏できる、というのは自分も意外です(笑)
Commentator by 冬草


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