Neighbor ―ずっと、傍にいて― |
ホウエンでの旅も終わりに近づいていた頃。 街から離れた海辺。 一行は砂浜にキャンプを張っていた。 この旅ももうすぐ終わる―――
ハルカは一人眠れないでいた。
静かな夜。澄み切った空に星が輝く。 ハルカは今までのことを思い出していた。
ポケモンと接することが苦手だった自分。
彼に出会えたから・・・
それに・・・彼と一緒にいられることが何よりも楽しかった。 自分の夢は叶えたい。けど・・・それ以上に彼の存在は、ハルカの中では大きくなっていた。 (嫌だよ、そんなの・・・)
揺れ動く心。
こんな気持ち・・・
「ハルカ?」 少しの沈黙。 ハルカがサトシに言い掛ける。
「ねぇ・・・サトシ」
「ハルカは・・・」
サトシも分かっていた。自分達が目指す目的は違う。 「私は・・・」
その先の言葉がなかなか出ない。 黙り込んでしまう二人。 (いつまでも・・・こんなままじゃ駄目だよ・・・) それでも自分の想いは伝えたい。 ハルカは立ち上がった。 迷いたくない・・・例え受け入れられなくても・・・ 「サトシ、私・・・」 胸の鼓動が早くなる。 「あなたと・・・ずっと一緒に居たいの」
「え・・・っ」 「ごめんね、私の我侭で。サトシにも私と違う夢があるんだから・・・」 「私と一緒じゃいけないかもしれない・・・でも・・・」 「あなたのことが好きなの!」
堰を切ったように一気に言い切る。 (どんな答えでもいい・・・) 「ハルカ・・・俺は・・・」 彼もその言葉の意味は理解していたんだろう。 サトシはハルカを抱きしめていた。 「ちょ、ちょっと・・・」 「ハルカがいいんなら・・・」 「・・・」 「これからも一緒に旅をしてくれるか?」 「俺、まだ好きとかそういうことは分からない・・・ でも・・・俺もお前と離れたくないんだ」 「俺の方こそ迷惑かもしれないけどさ・・・」 いや、それで充分だった。 彼も私と同じ気持ち・・・ それを感じ取れるだけで良かった・・・ 「サトシ・・・」
目を閉じ、サトシにもたれかかる。 こうしていられるだけで・・・
(ずっと・・・私の隣に居てね。大好きだよ・・・サトシ) |
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調子に乗って二作目を。
後、こっちのタイトルはとある曲名から借りたものだったり。 |
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